ERPやCRMといった業務アプリケーションは、SoR(Systems of Record)とも言われるように実際に起こった「結果」をOデータとして蓄積していくが、森川バイスプレジデントによれば、「クアルトリクスの買収によりSAP製品で活用することが可能になったXデータは、Oデータに対して、なぜそういう結果になったのかという“Why?”を提供する。ユーザーはOデータとXデータを組み合わせて分析することで、継続的に製品・サービスを改善してエクスペリエンスギャップを埋めていくためのインサイトを得られる」という。
また、同社は同じく今年5月に、ユーザーが社内外のデータをより一元的に活用できるようにするためのマルチクラウド対応HANAソリューション群として「SAP HANA Cloud Services」を発表し、その第一弾として、データウェアハウス(DWH)ソリューション「SAP Data Warehouse Cloud」を提供予定であることも明らかにした。SAPジャパンの首藤総一郎・バイスプレジデントは、「SAP Data Warehouse Cloudはメタデータ管理のためのもので、AWSの(DWHサービスである)『Redshift』などとは競合ではなく補完関係になる」と説明する。現在はベータ版を提供している段階で、年内にはリリースする予定だ。(本多和幸)