デル(平手智行社長)とEMCジャパン(大塚俊彦社長)は、「Dell EMC」ブランドで販売するネットワークスイッチで、米ビッグスイッチ・ネットワークス(Big Switch)のネットワークOSを採用した製品を発売した。ビッグスイッチからOEM供給の形でOSの提供を受けて、Dell EMCがハードウェアとソフトウェアの両方について日本語で保守・サポートを実施する。

 ネットワーク機器市場では、現在も単一のベンダーが独自のネットワークOSをスイッチに搭載して提供する形態が多いが、Dell EMCではユーザーがネットワークOSを選択できる“オープンネットワーキング”型の製品を推進し、大規模化するネットワークの管理効率を高めていく戦略をとる。

 ビッグスイッチはソフトウェア専業のネットワーク技術ベンダーで、スイッチ上で動作する軽量なネットワークOSと、複数のスイッチを統合制御するSDN(ソフトウェア定義型ネットワーク)コントローラーから構成される「Big Cloud Fabric」を提供している。仮想化技術によって、1台のスイッチを操作するような感覚で、多数の機器の管理・運用が可能になるという。SDNコントローラーはOpenStackやVMwareなどの仮想化基盤と連携することができ、運用担当者はビッグスイッチ独自の管理画面に入ることなく、使い慣れたVMwareなどの管理コンソールからネットワークを構成できる。また、Big Cloud Fabricにはパブリッククラウド版も用意されており、AWS、Azure、グーグル・クラウド上の仮想ネットワークの制御にも対応しているので、オンプレミスとクラウド、物理と仮想の両方にまたがる大規模なネットワークの一元化が可能だ。

 国内では、ネットワーク構築に強みを持つパートナーが、スイッチ製品とビッグスイッチのソフトウェアをそれぞれ個別に調達して顧客に販売していたが、Dell EMCが今年4月、グローバルで唯一となるビッグスイッチとのOEM契約を結び、ハードとソフトの両方をDell EMC製品として提供可能となった。
 
デル
西澤 均
事業部長

 デル日本法人の西澤均・ネットワーク事業部事業部長は「ハードウェアとビッグスイッチのソフトウェアの両方を、日本語でサポートできるのはDell EMCだけ」と述べ、今後は調達ルートやサポート窓口を一本化した形で、ビッグスイッチの先進的なソリューションを提供できるようになると説明する。

 Dell EMCのスイッチは、このほか同社の自社OS、Cumulus Linux、IPインフュージョンのOcNOS、プロリバスのNetvisor ONEなどのソフトウェアに対応する。デル川崎事業所内に検証施設を開設し、Dell EMCパートナーに向けたセミナー・トレーニングや検証環境の提供を行っていく。(日高彰)