富士通は7月17日、国内事業新会社「富士通Japan」を10月1日に発足させると発表した。中央官庁やメガバンク、通信キャリア、グローバルな大手企業、社会インフラを除く富士通グループの国内事業を一手に担う。富士通が今年3月に発表した新会社の構想では、グループ内で準大手や中堅・中小企業向け事業を担ってきた富士通マーケティング(FJM)を母体に、富士通本体の自治体、医療、文教向け事業部門が合流した新会社を7月に発足させる計画だったが(週刊BCN4月6日号で詳報)、これを変更。他の主要グループ会社の機能も統合して1万1000人規模の新たなグループ中核会社を立ち上げ、「国内サービス市場で圧倒的な地位を確立」したい意向だ。

 新会社発足までの具体的な流れとしては、まず今年10月1日に、FJMと富士通エフ・アイ・ピー(FIP)を統合し、富士通Japanを発足。同時に富士通本体から準大手、中堅・中小企業を担当するシステムエンジニア約400人が同社に合流する。ここまでが第一段階だ。

 第二段階として、2021年4月に本体の自治体、医療・教育機関担当のビジネス部門全体が富士通Japanに合流するとともに、富士通エフサスと富士通ネットワークソリューションズ(FNETS)の営業機能も同社に統合する。

 FIPは昨年4月、主力事業の一つだったデータセンターサービス事業が富士通本体に統合されたが、現在も流通、ヘルスケア、自治体向けのソリューションに強みを持つ。また、エフサスはインフラの構築・運用・保守、FNETSはネットワーク構築を網羅的に手掛ける。新会社が担う準大手、中堅・中小企業、自治体、医療・教育機関向けの国内ビジネスで、富士通グループ内の機能重複を抜本的に解消し、顧客にとっても分かりやすい体制とすべく、関連する各事業を新たに新会社に統合することを決めたという。

 また、富士通は「DX(デジタルトランスフォーメーション)企業」を目指す経営方針を打ち出しているが、新会社では顧客のDXにつながる提案を行う営業職の「ビジネスプロデューサー」を新設する。エフサス、FNETSの営業機能を新会社に統合するのは、DXで必要性が高まる、業界横断型の提案を強化する目的もある。両社の企画やマーケティングなどの部門も新会社へ統合するかは現在検討中。

 本体の自治体、医療・教育機関担当部門の合流は新会社発足時ではなく来年4月にずれ込むが、これについては「新型コロナウイルスの感染拡大により生じた社会課題の解決と顧客の事業継続をまずは優先するため」と説明している。

 富士通Japanの社長には、当初の新会社の計画どおり、広瀬敏男・現FJM社長が就任する。また、4月に就任したFJMの田中達也会長(富士通の前会長・前社長)が新会社で継続して会長を務める方針にも変更はない。田中会長が富士通社長時代に推進したものの、経営体制の変更とともに宙に浮いた形になっていたグループの統合・再編が、ここにきて大きく動いた。(本多和幸、日高彰)