米ニュータニックスは米国時間の9月8日、グローバル年次イベント「.NEXT 2020」をオンラインで開催し、同社のHCI(ハイパーコンバージドインフラ)の機能をマイクロソフトのAzureでも使用できるようにする「Nutanix Clusters on Azure」を発表した。現在は開発段階で、一部の顧客向けにプレビュー版を提供している。同社は8月に同様のサービスのAWS版「Nutanix Clusters on AWS」の提供を開始しており、パブリッククラウドとの連携を強化することで、オンプレミスからクラウドへの「リフト&シフト」を支援する。

ディラージ・パンディ 会長兼CEO

 Nutanix Clustersは、オンプレミスのNutanix HCIとパブリッククラウドにまたがるITインフラを作成し、Nutanix側のコンソールから一元管理できる仕組み。既にオンプレミスのインフラやプライベートクラウドとしてNutanixを使用しているユーザーは、現状の運用体制やスキルをそのまま生かして、AWSやAzureといったパブリッククラウドを利用することができる。また、アプリケーションやデータをクラウドへ容易に移行できるだけでなく、オンプレミスのNutanixライセンスをパブリッククラウドでも利用できる仕組みとなっており、同社では投資の柔軟性についてもメリットとして強調している。

 同社のディラージ・パンディ会長兼CEOは「企業はますます多くのクラウドを持つようになっており、それらをすべてまとめるためのソフトウェアレイヤーが必要になっている」と説明。オンプレミス、パブリッククラウドからエッジまで、あらゆる基盤の上で同じアプリケーションを実行し、同じ技術で運用できる環境が求められていると強調した。

 パンディCEOはプレゼンテーションの中で、従来「ハイパー・コンバージド・インフラ」の略だった同社のHCIを、これからは「ハイブリッド・クラウド・インフラ」の略に再定義すると述べた。かつて同社はアプライアンス製品を主力にしていたが、近年はサードパーティーのハードウェアとの連携を強化し、今回新たにパブリッククラウド上でも同社のソフトウェアを動作可能にするなど、物理的な基盤を選ばずにNutanixプラットフォームを展開できるようにしており、今後はこの戦略にさらに注力していくという。

 また、コンテナ実行環境をマネージドサービスとして提供する「Karbon Platform Services」の提供も開始した。コンテナオーケストレーション技術・Kubernetesの運用コンソールをSaaS型で提供し、オンプレミスやクラウドに展開したNutanixの上にコンテナ型のアプリケーションを素早く展開するとともに、運用・管理を一元化できる。

 さらに、新たなパートナープログラムの「Elevate」を発表した。リセラー・ディストリビューターやサービス事業者、ISV、ハードウェアベンダーなどパートナー別に分かれていたプログラムを一本化するとともに、売上高よりもパートナーのスキルを重視する体系とすることで、パートナー各社の専門知識取得に向けた投資を後押ししていく。(日高 彰)