SAPジャパンは9月30日、SAP認定コンサルタントの数が過去2年半でほぼ倍増し、目標を2年前倒しで達成するとの見通しを示した。

 SAPのERP旧製品のサポート期限は当初の2025年から27年まで延びたが、最新ERPである「SAP S/4HANA」へのマイグレーション需要は旺盛な状態が続いている。SAPジャパンはSAPコンサルタントの数がマーケットの成長に追いついていないことをパートナー戦略の課題として認識しており、2018年初頭に9000人だったSAPコンサルタントの数を、5年で倍増させるという目標を掲げていた。

 同社の大我猛・常務執行役員/チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー兼デジタルエコシステム事業担当は同日に開催したプレスセミナーで「SAPコンサルタントの数は、今年8月末時点で1万7773人となった。目標は2年前倒しで達成予定だ」と直近の状況を説明した。さらに「19年に2970人増えたのに対し、今年は8カ月間で2915人増え、順調に伸びている」と述べ、新型コロナウイルス感染症がSAPコンサルタント拡大の向かい風にはなっていないことを強調。パートナー企業数も順調に増え、2年半で1.5倍の353社になった。

 SAPコンサルタントの数が計画以上に増えている理由については「パートナーがリモートでのプロジェクト推進体制を確立し、そのパートナーを頼りに多くの企業が社内のプロセスやビジネスモデルを見直す好機と捉えてプロジェクトを推進している」と分析した。
 ただし、計画の前倒し達成を射程に入れてはいても、「市場のニーズを完全に充足させているわけではない」と大我常務執行役員は気を引き締める。ERPにとどまらず、SAPの提供するソリューションの領域は継続的に広がっており、市場からの需要も急速に拡大しているためだという。

 SAPジャパンとしては、今後もSAPコンサルタントの拡大に力を入れ、パートナーエコシステムの規模と質の両面で向上策を打つ。

 絶対数を増やすための取り組みとしては、国内人材と海外人材、学生を対象に、全方位で増員施策を進めている。SAPジャパンが国内での新規パートナー獲得などに注力する一方で、既存パートナーには社内人材のSAPコンサルタントへのシフトや、海外IT人材への日本語や日本文化の教育などを促す。

 質を上げる取り組みとしては、パートナー・パッケージ・ソリューションのラインアップを拡充していく。これはパートナーの知見を有形化し、パートナーの収益性や営業効率、ユーザー企業における導入スピードの向上を実現するためのソリューション群だ。現在、22のソリューションを認定している。

 大我常務執行役員は、SIパートナーとの関係が従来とは変わってきているとも話す。「SAPのサービス部門はパートナーと競合する部分もあったが、現在は協業や支援に戦略を転換している」と強調。18年以降、プロジェクトの進行や組織の強化、個人の育成の支援を計57社のパートナーに対して行っていることも紹介した。(齋藤秀平)