SAPジャパンは9月28日、人工知能(AI)と機械学習のテクノロジと、新たなリアルタイムサポートチャネルを使った次世代のサポートサービスを強化することで、カスタマー・サポート・エクスペリエンスを向上し、顧客の成功を支援すると発表した。

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 SAPでは、問題の迅速な解決を求める顧客のために、過去のナレッジから自動的に問題解決策を提示するサービスや、問題解決にあたるエキスパートと顧客と直接のコミュニケーションの機会を提供している。今回、AIと機械学習のテクノロジを基盤にインシデントの解決策を提示するサービス「Incident Solution Matching」、新たなリアルタイムサポートチャネルを使いインシデント発生時にリアルタイムに担当者とやり取りができるサービス「Schedule a Manager」、特定の分野のエキスパートと直接のやり取りが可能となるサービス「Ask an Expert Peer」などのカスタマーサポート機能を大幅に強化した。

 Incident Solution Matchingは、Support Launchpad上で、新しいインシデントへの回答に際してAI機能を活用することにより、質問者に対して潜在的なソリューションを迅速に自動的に表示できるサービス。オープンなインシデントデータに基づいて、SAP NotesとSAP Knowledge Base Articles(KBAs)に蓄積された過去のSAPサポート技術情報ナレッジから近い回答を検索し、推奨ソリューションを自動的に提供することにより、問題解決までの時間短縮を実現する。また、自動学習機能により、利用者がサービスを使用すればするほど、推奨ソリューションの関連性の精度が高まり、回答の精度が向上する。

 今回、AIベースの機能を拡張し、機械学習モデルと提示される結果の精度を向上したことで、顧客はSAPのサポート技術情報のなかから、顧客のインシデントとの関連性が高いソリューションだけをさらに迅速・簡単に調べることができる。とくに、SAP S/4HANA Cloudを利用中の顧客については、SAP NotesとKBAsだけでなく、SAP HelpやRoadmap Viewer、そしてFiori Apps Libraryなどの追加のデータソースからも推奨されるソリューションを提供する。回答の言語表示について自動翻訳機能も強化している。

 Schedule a Managerは、19年にパイロットプロジェクトが完了したサービスで、SAP ONE Support Launchpadから利用が可能となった。これは、利用者が優先度の高いインシデントに関して、SAPの製品サポート組織のマネージャーと直接連携して問題解決のサポートを受けられるサービス。インシデント上でのSAPからの回答を待たなくても、新しいリアルタイムサポートチャネルであるSAP ONE Support Launchpadを介して、インシデントに関連する製品分野のサポートマネージャーとの15分間の個別セッションを予約し、解決策について直接会話することができる。

 予約は、セッション開始の2時間前から可能。優先度の高いインシデントの定義は、インシデントが作成されてから少なくとも2時間以内であることが条件となるが、ビジネスに重大な影響をおよぼす可能性がある優先順位の高いインシデントの早期解決に有効となっている。また、同サービスは現行の製品保守契約の枠内での追加サービスとなるため、追加料金は不要。

 Ask an Expert Peerも19年にパイロットプロジェクトが完了したサービスで、SAP SuccessFactorsリューションの利用者向けに提供を開始している。Ask an Expert Peerは、SAP社員、パートナー、SAP Communityのメンバーなどから認定されたSAPカスタマーエキスパートと顧客をつなぎ、問題の解決に向けて協力できるピア・ツー・ピアの新たなコラボレーションプラットフォーム。対象となるのは、基本的な問い合わせと優先度低から中程度のインシデントで、これらのインシデントに対し迅速な問題解決を提供するために設計されている。質問の提示後に24時間以内に回答が得られない場合には、質問者は、ONE Support Launchpadのチャネルオプションを使用して改めて適切なチャネルでサポートを受けることができる。

 また、このほかにSAP NotesとSAPサポート技術情報の自動翻訳サービスも強化している。文やフレーズ全体を処理するニューラル機械翻訳とAIテクノロジーの導入により、9つの主要市場言語に対応した(日本語、ブラジルポルトガル語、中国語簡体字、スペイン語、フランス語、ロシア語、韓国語、イタリア語、ドイツ語)。SAPのインテリジェントテクノロジーは、機械学習とフィードバックの学習機能の強化により、SAPソフトウェアとサービスの文書、用語集の訳文を継続的に改善している。