SAPジャパンは3月5日、パートナー向けのイベント「SAP Japan Partner Summit 2021 online」で、2021年のパートナー戦略を発表した。新しいサービスパッケージ「RISE with SAP」や、業種別クラウドソリューションを提供する「インダストリークラウド」の支援などに注力することが柱。全社で進めている「クラウドカンパニーとしての深化」に向け、パートナービジネスのクラウドシフトも推進する方針だ。(齋藤秀平)
 

SIの割合が低下
コンサルが高まる

 同社は、RISE with SAPを「あらゆる業種や規模の企業を対象にしたDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に最適なコンシェルジュサービス」と位置づけており、コアERPのクラウド移行に向けた軸にする方針を示している。

 パートナービジネスでは、コアERPのS/4HANA Cloudやインフラ、テクニカルマネージドサービスなどをSAPが用意し、それ以外の部分はパートナーが提供する枠組みになる。具体的には、構想や導入、移行、AMOサービスなどをサービスパートナーが担い、拡張ソリューションはソフトウェアパートナーが開発する。再販パートナーには拡販を進めてもらう。

 週刊BCNの取材に応じた同社の大我猛・常務執行役員デジタルエコシステム事業担当は「これまで以上にパートナー各社との連携が重要になる」と語る。しかし、パートナーによっては、ビジネスモデルの変革が必要になる場合がある。
 
大我 猛 常務執行役員

 オンプレミスのビジネスでは、個社ごとのカスタマイズが主流で、カスタマイズに伴うSIもパートナーの収益源につながっていた。一方、RISE with SAPのビジネスについて、大我常務は「われわれがソフトウェアなどを提供し、それを活用してパートナーがお客様に導入や定着を進める。そういう観点では、今までのモデルからは大きく変わらない」としつつ、「SIの部分が減り、コンサルティングの割合が大きくなる」と説明する。

 さらに、「クラウド環境は継続的なバージョンアップが前提になっているため、オンプレミスのように個社向けにコアERPをカスタマイズすることは難しい」として、既存パートナーにマインドチェンジを促す。「ビジネスプロセスを見直したり、変革を促したりすることが重要になる。S/4HANA Cloudを活用し価値を出していく部分もパートナーのビジネスになる」と話す。