コンテナはキャズムを超え普及期に
レッドハットではこれまで、コンテナプラットフォーム「OpenShift」に関するパートナー戦略を段階的に進めていた。第一弾はOpenShiftのマネージドサービスの展開を支援する「OpenShift Managed Practice Program」(2019年12月開始)で、第二弾はISV(独立系パッケージソフトベンダー)などのアプリケーション開発パートナーを対象に、Kubernetes Operatorの技術支援などをする「Kubernetes Operator Project」(20年12月開始)だった。第三弾となる今回は、ユーザー企業から情報システムの開発・運用を受託するSIerを支援するのが目的。同社の金古毅・副社長執行役員パートナー・アライアンス営業統括本部長兼事業戦略室は「IT人材の70%がパートナーにいる日本では、パートナーと連携してDXを推進していくことが、多くのお客様にとっての近道になる」と語り、IT人材の多くがベンダー側に所属する日本市場の特性をより強く意識した支援策となる。

今回の第三弾は、第二弾から7カ月での発表となり、これまでより周期が短くなった。理由としては、金古副社長が「コンテナはキャズム(本格普及の前段階にある溝)を超えて普及期に入ったという状況になっている」と話すように、世界的にコンテナ市場が急成長していることがあるようだ。
調査会社IDCジャパンが4月に発表した「2021年 国内コンテナ/Kubernetesに関するユーザー導入調査結果」によると、国内では、調査対象とした国内420社のうち、本番環境でコンテナを使用している企業の割合は前年の調査から2.7ポイント上昇の16.9%、導入構築/テスト/検証段階の割合は同4.7ポイント上昇の23.3%となり、合わせて40.2%の企業がコンテナの導入を進めていることが明らかになった。
金古副社長は「高まる不確実性に向き合うためにはスピーディな対応が要求される。DXの成果はデリバリーパフォーマンスで決まる時代になったことが背景にある」と市場の動向を分析し、「コンテナは、そうしたリードタイムの短縮と変更頻度の向上、そして信頼性の向上を実現するメインストリームの技術要素として急速に浸透しつつある」と述べた。