鈴与シンワートは、自動車運転者のアルコールチェックや検温などを行い、測定データをクラウドで管理できるサービス「あさレポ」の提供を開始した。自宅や外出先で手軽に測定が可能で、既存の測定機器よりも比較的安価で運用ができるという。2022年10月には、「白ナンバー」の自動車を保有する事業者の検知器による飲酒チェック義務化が始まり、同社は今後1年間で5万ユーザーの獲得を目指す。
あさレポでは、携帯可能な専用デバイスとスマートフォンアプリをBluetooth接続して飲酒検知や検温などを行い、測定したデータをクラウドで管理・保管する。飲酒や発熱が確認された場合は、管理者へ直ちにメールが送られ、交代運転者の確保などの対応を迅速に行える利点もある。
検知用の専用デバイス
アプリにはAI顔認証の技術を導入して、本人確認を徹底。測定時には顔写真を自動撮影したり、測定地点の位置情報を取得したりする機能も有し、なりすまし対策を充実させた。運転手それぞれにデバイスを持たせることで、飛沫による感染症の拡大を防ぐことにもつながる。
白ナンバー車の飲酒検知義務は、5台以上、または定員11人以上の車を1台以上使う事業者が対象。検査内容の記録は1年間保存しなければならない。事業用車両が該当する「緑ナンバー」車はすでに義務化されているが、同社によると、測定結果を紙でまとめていたり、営業所でなければ測定できなかったりなどの課題も多く、あさレポの普及余地は大きいとみる。
長倉正彦 副事業部長
現在、同社は販売代理店を広く募っている。システムインテグレーションカンパニーサービステクノロジー事業部の長倉正彦・副事業部長は「当社は営業のリソースが少なく、地方に向けては代理店の力を借りたい。(顧客との接点を生む)ドアノックツールとしても役立つ」と強調した。(藤岡 堯)