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【現状のAIでできること、できないこと・1】ビジネスで役に立つAIとは?

2022/04/22 10:00

 私は2005年からデータをビジネスに生かす仕事をしてきた。この連載では、「現状のAIでできること、できないこと」というテーマでビジネス面でのAI活用について記述したい。また、AIの未来についても簡単にふれたいと思う。
 
人間とAIの判断プロセス

 まず、AIについて定義したい。AIといっても人によって異なるイメージがあるからだ。AIに関係したニュースを見ても、将来の研究開発に関するAI、現在すでに実用化されているAI、また、おおよそAIとは無縁と思われる製品にAIという枕言葉が使われているものもある。今回、記述するAIは、ビジネスの世界でベテラン社員が行っていることを高度化・自動化するAIについてである。コンピューター上で人間と同様の知識を実現しようとするものだ。

 では、ビジネスで役に立つAIとは何か。例えば、CMをどのように打てば効果が最大化できるのか、ある資源の来年の売買価値はいくらなのか、生産設備の最適化なパラメータの値はいくつか、などをコントロールするAIである。これは、社内である程度上手にやっている人がいることが前提となる。いい換えれば、その人が判断するために見ているデータがあるということだ。

 データ分析屋の仕事は、データを生かしてビジネスに役立つものを作っていくことなので、役に立つデータが存在することが大前提になる。ここでよく問題になるのが、「データはあるのですがそれは紙なんです」とか、「それはPDFなんです」ということだ。また、暗黙知としての知見もある。数値を見つけて実装していくのがAIなので、実装ができないとモデルはつくれない。このようなケースでは、数値や知見をデータベース化していくという地道な作業が必要となる。データベース化ができなければ、AIはつくれないのである。

 また、データは存在しても別の課題が発生する。それはデータには、「人の心の入っていないデータ」と「人の心が入っているデータ」がある点だ。

 「人の心が入っていないデータ」とは、自然のデータや機械などのデータで、比較的簡単に分析ができる。正規分布の形をとっているからだ。

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