ウイングアーク1stは、企業間で請求書などをやりとりするオンライン文書流通プラットフォーム「invoiceAgent(インボイスエージェント)」上での発行件数が直近9カ月で倍増したことを明らかにした。コロナ禍中に進んだ業務のデジタル化や改正電子帳簿保存法の法整備によって「紙の請求書をオンラインで発行する頻度が急速に増えた」と、執行役員の名護屋豊・Business Document製品開発&企業間データ流通クラウド担当は発行件数の急増の背景を話す。
名護屋 豊 執行役員
invoiceAgentは請求書などの「オンラインでの作成・発行」を主な機能としてきたが、この6月から新しく「オンライン受領」の機能を強化。請求書を受け取る側には、一定の受領件数まで無料で利用できる枠を設けて普及促進に力を入れる。オンラインで発行された請求書を受け取る準備ができていないと「invoiceAgentによる発行件数の伸びを鈍化させてしまう恐れがある」(新井明・Business Document事業部副事業部長)ことから、受領側に無償枠を設けて自由に使ってもらえる仕組みを導入した。
新井 明 副事業部長
また、受領したあとの保管もカバーすることで「請求書などを作成・発行、送付、受領、保管までの改正電帳法に準拠したトランザクションをinvoiceAgent上で完結できる」(Business Document事業部BD事業戦略部の四之宮諒氏)ようにした。最初は無償枠で利用を始めたユーザー企業も、一定の文書のやりとりの件数を超えるタイミングで有償版に移行してもらうことでユーザー数を増やしていく。
四之宮 諒氏
invoiceAgentは、請求書の発行件数が多い大企業向けの営業に力を入れており、本年度(2023年2月期)は500~600社での利用を見込んでいる。来年度以降、徐々に中堅・中小のユーザー企業に向けて裾野を広げていき、5年後の27年2月期には1万社の利用社数の獲得を目標に据える。今回、受領部分の機能強化ならびに無償枠を設けることでユーザー数や発行件数の増加に勢いをつけていく考え。
(安藤章司)