これまでベンダーによる介護DXの代表的なサービスや製品を解説してきたが、今回はユーザーによる介護DXの動きや代表例を解説する。

 介護分野のDXの特徴の一つとして、ユーザー側が業界標準化・モデル化を推進したり、自らが開発したサービスやシステムを他事業者に提供したり、介護DXを担う人材づくりを進めるなど、業界全体のDXを積極的に推進している点がある。従来、IT化やテクノロジーの活用が遅れていたこともあり、「このままでは介護業界全体が置いていかれる」という強い危機感を持った事業者などが積極的に活動しているのだ。代表例として、介護事業者の善光会とSOMPOケア、自治体の北九州市と大子町の取り組みを紹介する。

 善光会は、「オペレーションの模範となる 業界の行く末を担う先導者になる」を理念としている。自ら介護ロボットやIT、各種テクノロジーを導入して効果を実証し広く発信しており、先進的な介護事業者として知られている。そこで、「業界全体のDX」という視点で、(1)スマート介護プラットフォーム「Smart Care Operating Platform(SCOP)」、(2)介護ロボットの開発や実証などを行う「サンタフェ総合研究所」、(3)介護DXを担う人材づくりの「スマート介護士」――を紹介する。