クロノスは、勤怠市場で顧客層の拡大に注力している。顧客の規模は、社員数100人~999人の中規模企業が最も多いが、今後は1000人以上の大規模企業や5人~99人の小規模企業でのシェア向上を目指す。新規顧客の開拓や新業種への展開も進め、中期的な成長を実現したい考えだ。
大牧 充 社長
同社の調べでは、勤怠市場で同社製品のシェアは4.63%で、中規模企業向けの市場では9.52%のシェアを獲得している。一方、大規模企業向けは2.69%、小規模企業向けは1.56%で、大牧充社長は「これらの市場では、当社の製品はまだ浸透していない」と課題感を示す。
大企業向けでは、サポートと開発、営業の各部門で組織する専任チームを昨秋、設置した。これまでは、案件が獲得できるかは担当営業の能力に依存することが多かったが、専任チームで対応することで、案件の獲得数は以前に比べて徐々に増えているという。小規模企業に対しては、機能を絞って安価に導入できる勤怠管理サービスを7月から提供し、顧客の獲得を進めている。
最近は、建設業の時間外労働の上限規制が2024年4月から適用されることを受け、建設業向けのニーズが増加している。同社は、関連ビジネスの成長に向けて申請・承認クラウドサービス「X'sion(クロッシオン)」の機能追加を計画していたが、販売店からの要望を受けて新機能の提供時期を変更した。
具体的には、今年11月に提供予定だった日報の実績入力機能と、来年の提供を予定していた入力機能を今年10月にリリースし、新規顧客の開拓に役立てる。両機能に加え、今後、シフト入力機能も追加する方針で、建設業以外の業種の顧客獲得にもつなげたい考えだ。
API連携サービス「XronosLink(クロノスリンク)」については、連携の範囲を広げるため、打刻データ連携用のAPIの公開に向けて開発を進めている。
(齋藤秀平)