ジェイズ・テクノロジー(旧ジェイシーテクノロジー)は、情報システム業務のアウトソーシングサービス「Kaetec」(カエテク)の販売拡大に注力している。同社はグループ会社のジェイズ・コミュニケーションが主催した同サービスについてのセミナーで、従量課金制での提供により必要な分だけ柔軟に業務をアウトソーシングできる点を強みとして挙げ、IT人材の不足、情シス部門の業務効率改善につながると説明した。
Kaetecは、社内のヘルプデスク業務やアカウントの登録・変更、権限付与、PCのキッティングなどの業務のほか、システム監視や障害対応、ネットワークの設定変更といったシステム保守に対応する。企業規模に合う最適なIT機器の選定や調達、導入支援といったコンサルティングも行う。
古和田直樹 副社長
古和田直樹副社長は「社内SEがIT戦略策定やIT投資計画策定、システム開発といったコア業務に専念できるよう支援することをコンセプトにしている」と強調。その上で「社内SEの業務は多岐にわたり、社内の何でも屋的な役割となってしまっている。煩雑な業務をKaetecが巻き取ることで、社内SEが経営に近いところで活躍し、企業のDX化の進展に寄与できる」と語った。
通常の情シス業務に加え、月次対応レポートの作成も手掛ける。古和田副社長は「アウトソーシングサービスによっては、どういった対応がされたか共有されないこともあり、(委託した企業に)ノウハウが残らないというデメリットがある」とした上で、月次対応レポートによって課題の共有や、改善策を提案するとした。
サービス料金は、基本料金が月額5万円で、業務ごとに設定された料金メニューに合わせ、1件あたり800円からの従量課金制となる。繁忙期などで社内SEが対応しきれない範囲だけをアウトソーシングするなど、使いたい時に柔軟に活用し、無駄なコストを削減できる。稼働までの期間は1~3カ月ほどとなる。
古和田副社長は、IT人材採用の市場について「エンジニア採用のために、一人あたり約10社がひしめき合っている状況」とした上で、「競争の中でIT人材を勝ち取るためには好待遇で採用する必要があり、コストも高くなっている」と解説。高いスキルを持つIT人材が他社に流出するリスクも大きくなっているとし、情シス部門の人手不足は深刻になっているとした。その上で、古和田副社長は「Kaetecは130人以上のエンジニアがサービスをバックアップする体制を整えている。『できません』ということは、なかなか出てこないだろう」と自信を示した。
ジェイズ・テクノロジーはジェイズ・コミュニケーションでSI事業を担っていたシステムソリューションビジネスユニットを承継し、2023年1月1日付で商号を変更した。
(大畑直悠)