熊谷紀之の趣味は、サッカーだ。フィールドでは、中央にいる選手を後ろから支援し、ゴールに直結するパスを生み出す「サイドバック」のポジションでプレーすることが多い。熊谷は、今年1月に営業を開始したばかりのジェイネットワークイニシアティブ(JNI)で、システム構築の豊富な経験を生かし、若手システムエンジニア(SE)の育成に携わる。マネージャーとしてチームの相談役を務め、システム構築現場の最前線にいる若手SEをサポートして育成することをミッションとしている。仕事をこなすうえでの「サイドバック」のような役割を果たしているのだ。
JNIは、ICT(情報通信技術)ベンダーの日商エレクトロニクスとネットワーク機器メーカーのジュニパーネットワークスが2011年12月に設立した合弁会社。ジュニパー製品の導入コンサルティングからシステムの構築・運用までの総合サポートを提供している。社員数は現在およそ20人だが、2016年をめどに90人程度に増やす方針だ。JNIのオフィスは、都市再開発が盛んで、新しい街が形成されつつある東京・豊洲にある。「新しく誕生したJNIを立ち上げて会社を大きくするのは、自分たちSEのチームメンバーだ」。オフィスの近隣の工事現場からは、勢いが伝わってくる。その勢いにあやかって、一日も早くメンバーを育て、チームを成長させることに熱意を傾ける。
「一つのことに集中してやり切る」という自らの強みに磨きをかけようと、金融機関の営業職からIT業界に転職した。JNIでは、「製品ごとの壁をなくして、広い視点から提案を行うエンジニア部隊をつくりたい」という。「お客様に、もう一度JNIを使いたいと思っていただく」──熊谷が目指す、仕事上のゴールである。(文中敬称略)
プロフィール
熊谷 紀之
熊谷 紀之(くまがい ひろゆき)
1975年、宮城県生まれ。2005年に日商エレクトロニクスに入社し、ジュニパー製のルーター/スイッチのプリセールスを担当。大手キャリア、ISP、学術系のネットワークの提案・導入に携わる。12年1月、JNIに出向。SEマネージャーとして、ネットワークに関する提案活動や検証、技術者の育成を担当する。