Special Feature

「町の自動車整備工場」のデジタル化は進むか 業界を越えた2社の挑戦

2024/03/18 09:00

週刊BCN 2024年03月18日vol.2006掲載

 自動車整備業向けの業務システムなどを開発するブロードリーフは、自動車部品卸のトヨタモビリティパーツ(名古屋市)と協業して、全国約9万社の整備業ユーザーに向けた自動車部品の受発注オンライン化に取り組んでいる。業界横断で利用可能なオープンな受発注プラットフォームを構築し、整備業ユーザーのオンライン受発注のシステム利用率を一気に高めていく。中小規模が多くを占める「町の整備工場」においては、業務のデジタル化が遅れているとされ、協業を通じて先進的な技術を駆使した業務変革を後押しする。
(取材・文/安藤章司)
 

部品受発注をオンライン化

 両社の協業は2023年12月に発表された。ブロードリーフの受発注プラットフォーム「Broadleaf Cloud Platform」と、トヨタモビリティパーツの受発注システム「ユーザーオーダーエントリーシステム(UOE)」の連携を柱とする。協業の背景には、両社の共通の顧客である全国の整備業における、受発注業務のデジタル化の遅れがある。
 
トヨタモビリティパーツ 山崎 類 担当課長

 自動車部品の主な商流は、自動車メーカー→一次卸→二次卸→整備業の流れで、二次卸までの受発注業務のオンライン化は、UOEをはじめとするEDI(電子データ交換)システムによって進んでいるが、トヨタモビリティパーツの山崎類・外販部企画・総括室担当課長は、全国各地にある町の整備工場のオンライン化について「思うように進んでいない」と指摘する。

 UOEは四半世紀にわたって提供されているが、町の整備工場でUOEを使っているのは全体の数%にとどまる。部品卸は比較的規模が大きい企業が多いのに対して、整備工場は中小規模が多いことも普及率が高まらない理由の一つとされる。
 
トヨタモビリティパーツ 中野 匡 部長

 整備工場の受発注業務は、電話やファクスでのやりとりが主流で、卸側は部品の検索や見積もりを、同じように電話やファクスで整備工場に返していた。ただ「業務のデジタル化が進む中、受発注のデジタル化は欠かせない」(トヨタモビリティパーツの中野匡・営業企画本部外販部部長)と判断し、そのビジネスパートナーとして、整備業向け業務システムで大きなシェアを持つブロードリーフを選んだ。
 
ブロードリーフ 佐々木康志 部長

 ブロードリーフは車両管理や伝票発行、申請書類の作成などを行う整備業向け業務システム「Maintenance.c(メンテナンスドットシー)」などを手掛けており、全国のユーザー数は約2万3000社で業界トップクラス。今回の協業ではMaintenance.cと連動するかたちでクラウド上に受発注プラットフォームを構築している。UOEを受発注プラットフォームと接続することで「普段使っている業務システムからシームレスに在庫や価格を照会できるようになる」と、ブロードリーフの佐々木康志・クラウド戦略推進部部長は話す(図参照)。
 

 UOEは四半世紀かけても整備工場に普及させることはできなかったが、すでに整備業向け業務システムで大きなシェアを持つブロードリーフと組めば「利用率を大幅に高めることが可能になる」(山崎担当課長)と目論む。
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