──2024年の振り返りを。
サプライチェーン問題による在庫不足が解消されたことや、国内企業のITへの投資が旺盛だったことなどを受けて、ビジネスに力強さが戻ってきた1年だった。日本法人は、「セキュリティー」「AI」「サステナビリティー」の三つに特に注力したが、その中でもセキュリティーは、近年製品ポートフォリオの拡充を進めたこともあり、認知度が向上、加えてお客様のセキュリティー意識も高まっているため問い合わせも増加している。
濱田義之
代表執行役員社長
──自身は24年1月に社長に就任した。
苦労した部分はもちろんあるが、能動的に動いてくれる社員が多く、そういった力に勇気づけられた。
──24年3月に米Splunk(スプランク)の買収が完了した。
単純に会社が一緒になったのではなく、統合によって生まれる価値をお客様にどう提供していくかが重要だと考えている。当社のパートナーエコシステムは、スプランクのそれより歴史が長く、大きいため、パートナーを経由して国内全体に価値を届けていきたい。
日本市場のプレゼンスを上げる
──AIへの需要拡大が見込まれる。
日本はグローバルに比べて、AIの利用が遅れている面があるが、そこに危機感を抱いて取り組んでいこうとするお客様が増えている。AIの民主化を進めるために、われわれはパートナーと共に使いやすいインフラを提供して、お客様がAIをどのようにビジネスに使っていくのかを考えることに専念できるようにしたい。また、AIの利用が拡大することで、セキュリティーをはじめとした課題も生まれるため、その部分をサポートすることもわれわれの重要な役目だ。
──26年2月から新パートナープログラム「Cisco 360 Partner Program」を開始する。
現在のパートナープログラムに比べて、よりパートナーがメリットを受けられる内容になっている。国内にはネットワーク製品を扱うパートナーが多いが、そういったパートナーがセキュリティーなどほかの製品にもステップを移していく際に、大きな効果を発揮する。25年はセミナーなどを通じて情報発信をきちんと行い、移行を支援する。
──25年の抱負を。
引き続きセキュリティー、サステナビリティー、AIが注力領域となるが、特にAIの強化を図る。また、さまざまな場面で分散化が進んでいる中で、ネットワークの重要性をきちんと伝えていくことも大切だと感じている。シスコ全体の中で、日本市場への期待が大きくなっているため、さらにプレゼンスを上げられるように頑張りたい。