──2026年をキーワードで表すと何か。
“責任あるAI”という意味で「Responsible AI」をキーワードに挙げたい。26年はさまざまな業務にAIが実装される見込みだ。ただ、今のLLMは必ずしも正しい答えを出さなかったり、追加学習のさせ方によっては精度が落ちたりする。業務で使う場合は信頼性が重要になることから、責任を担えるAIを提案し、実装する役割を担うという意思を込めた。
佐々木 裕 代表取締役社長
25年は当社がNTTの完全子会社となった年でもあり、全世界約20万人の社員が同じ方向を向けるように、NTTデータグループの経営理念に相当する「Our Way」を25年7月1日付で刷新した。その中に「responsible innovation(責任あるイノベーション)」の文言があり、AIにおいても同様に、責任ある提案と実装、成果を導き出していくとの思いを重ねた。
──AI商材はどのようなものを取り扱っているのか。
NTTが25年10月に提供を開始した300億パラメーターの小型LLM「tsuzumi 2」は、ユーザー企業固有のプライベート環境やオンプレミスでの利用に適している。「パブリックな環境に重要データを出したくない」という需要に対応していくためだ。AI推論に使うGPUの必要台数が1台で済み、コストも他のLLMに比べて10~20分の1に抑えられる。25年7月には、仏Mistral AI(ミストラルエーアイ)とプライベートAIを共同開発する業務提携を結んだ。
ハイブリッド型で使い分け
──プライベートAIに注力していくということか。
企業の競争力の源泉とも言えるデータの中には機密性の高いものが少なくないため、本格的に業務へ実装し、活用するには、プライベートAIの環境は必須だと捉えている。ただし、パブリックAIが必要ないということはまったくなく、用途や重要度に応じてプライベートとパブリックを使い分けるハイブリッド型が求められる。
──大手AIベンダーとの関係はどうか。
25年5月に米OpenAI(オープンエーアイ)とグローバル市場を対象とした戦略的業務提携を行うとともに、国内初の販売代理店としてオープンエーアイ関連事業で27年度末までに累計1000億円のビジネス規模とする目標を掲げている。25年8月には「Google Cloud」を取り扱うグローバルパートナーシップを結び、業界に特化したエージェント型AIの納入を進めるなど着々と関係を強化している。
25年12月には米シリコンバレーに設立したAI特化の専門子会社が本格的に事業をスタートさせた。北米を中心としたAI技術動向をいち早くつかみ取り、当社のグループ各社と連携してAIビジネスを拡大させる推進役を担ってもらう。AIを業務で活用できるかどうかが企業の競争力に直結するだけに、信頼性の高いAI実装でビジネスを伸ばす。