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<プリンティングソリューション特集> カラープリンタ市場 年末、年度末需要控え新製品ラッシュ 前編

2007/11/29 19:56

週刊BCN 2007年11月26日vol.1213掲載

沖データ
紙媒体の情報セキュリティは不可欠となった プリンタ内のデータ保護を実現

■国際的な情報セキュリティ基準 コモンクライテリアを取得

 「個人情報保護法」が完全施行されたのは2005年のことだ。

 その頃より企業のセキュリティ意識が高まり、現在に至るまでに多くの情報漏えい対策ソリューションが拡充されてきた。

 情報漏えい対策というと、USBフラッシュメモリなどの可搬記憶媒体や基幹システム、ネットワーク、サーバー、クライアントPCなどに注力しがちである。しかし、民間非営利団体(NPO)日本ネットワークセキュリティ協会の調査によると、情報流出のおよそ50%は、紙媒体からの情報漏えいとなっている。つまり、企業の情報漏えい対策を考えるときに、紙媒体へのセキュリティ対策が、急務だといえるだろう。

 プリンティングソリューションに注力している沖データは、「速くて、小さくて、丈夫。」をコンセプトにした「Cシリーズ」の中の1機種として、高いセキュリティ機能を有するA3機『C8800dn』を提供している。

 「情報漏えい事故を引き起こしてしまうと、企業はこれまで築き上げてきた信頼をすべて失ってしまう事につながりかねません。それほどまでに、セキュリティは企業を経営していくうえで、欠かすことができない課題となっています。日本版SOX法などにより、内部統制の整備も求められているため、情報漏えい対策、内部統制の整備という両面から、何らかの対策が必要不可欠となっています」と、国内営業本部 プリンティング・ソリューション推進部 第一課の末本輝之課長は語る。

 『C8800dn』はオフィスにおけるプリントデータやプリントアウトした紙文書からの情報漏えい対策を行い、セキュリティ機能を徹底的に強化した商品となっている。プリントデータの保護対策として、プリンタ内部のハードディスクに蓄積される印刷データの暗号化が可能である(セキュリティキットタイプ A1(SKT-A1)装着時)。

 また、ICカードを使った認証印刷機能にも対応している。この機能を活用する事で、第3者がプリンタから書類を持ち去り、情報が漏えいする危険を防止することができる。

 「これまでも同様の機能は一部のプリンタで実装されていましたが、プリンタメーカーによって信頼性の基準がさまざまでした。そのため、明確な基準に即した選択肢が必要とされてきました」(末本氏)とのことだ。

 沖データではカラープリンタとして、日本では初めて国際的な情報セキュリティ基準「ISO/IEC 15408」(コモンクライテリア:Common Criteria for Information Technology Security Evaluation)の認証を取得している(オプションのセキュリティキットタイプ A1(SKT-A1)を装着した場合)。

 「これまでコモンクライテリアを取得しているのは、高額なデジタル機器がほとんどでした。しかし『C8800dn』がコモンクライテリアを取得したことで、お客様の選択肢を広げることができます」(末本氏)。

 沖データでは、より多彩なオフィス環境に対応すべく、商品ラインアップを拡充している。2007年7月には、プリント、コピー、ファクス、スキャンの機能を装備した小型・高速A4カラー複合機『C3530MFP』をリリースした。

■A4カラー複合機ラインアップを新たに追加

 「同報印刷」機能を使用すれば、一度の印刷操作で複数の『C3530MFP』を使って印刷することができる。イントラネットやVPNなどで結ばれた環境であれば、遠隔地への同報ができるため、コスト削減にも寄与する。

 常に市場のニーズを把握し、そのニーズにあったソリューション提案を行っている沖データは、市場からの期待も大きい。今後の同社の製品、販売動向に注目したい。

沖データ=http://www.okidata.co.jp/

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