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<プリンティングソリューション特集> 第二部 プリンティングソリューション 後編

2008/03/17 19:56

週刊BCN 2008年03月17日vol.1227掲載

シーティーシー・エスピー 目指すは「グリーンプリント」
トナーをセーブし、地球環境負荷と印刷コストの低減を実現

 シーティーシー・エスピー(以下、CTCSP)は、今までネットワークセキュリティ、データプロテクション、メッセージング、ネットワーキング関連のソリューションなどを主要事業として展開・拡充してきたが、最近注目を集めているIT化の取り組みのなかで、環境に配慮する“グリーンIT”のコンセプトにマッチした製品群を新たにソリューション分野として立ち上げる。その最初の中核製品として「PretonSaver」を提供する。「PretonSaver」は、トナーとインクの使用量を最適化し、地球環境負荷と印刷コストの低減を実現するプリンティングソリューションだ。

■地球環境保全に現場でできる対策を提案

 CTCSPは、(株)IDサイエンスと販売代理店契約を2008年2月に締結し、プリント統合管理ソリューション「PretonSaver」の国内販売およびサポートを3月1日より開始した。

 「“PretonSaver”は、出力コストを最大50%ほど削減するソリューションとして紹介されました。私自身、それまで“トナーの使用量”について考えたことがなかったという事実を突きつけられたのです」と、第1営業本部・営業推進部の渡辺裕介部長は「PretonSaver」を知った時の感想を振り返る。

 現在、地球温暖化対策・環境保全を目的として、資源の有効活用は必須だ。「気候変動枠組条約」など、国際的な枠組みを設定する動きも活発になっている。その実現を目指した「京都議定書」はあまりにも有名だ。チームマイナス6%などの運動が展開され、「グリーンIT」が1つのキーワードとなっている。無論、資源を有効活用することは、無駄を減らし、余計なコストを削減することにもつながる。環境マネジメントシステムの構築を要求した規格ISO 14001や地球環境保全とコスト削減を両立するグリーンITに対して関心が高まっているのもうなずける。

 印刷にかかるコストといえば、プリンタが消費する電力、印刷する紙、そしてトナー代となる。だが実際には、印刷コストの削減というと、とかく「紙」に集中しがちだ。紙の価格は5000枚で数千円程度。1枚あたり数銭から十銭というのが相場であろう。集約印刷や両面印刷、裏紙の使用推進などは「紙」を減らすことに焦点が置かれている。

photo しかし、印刷コストで最も影響があるのは「トナー」である。一般的に、A4の印刷をする場合、モノクロ印刷で3円、カラー印刷で12円のトナー代が消費されている。紙自体の価格よりも、数十倍のコストがトナーで消費されているのである。しかし、実際の利用者において、トナー代にまでは意識がおよんでいないというのが実態である。

 より具体的な数字を挙げると、50名規模の企業で従業員が1日にカラー10枚、モノクロ20枚を印刷する場合、1日当たり約9000円、年間200万円超の経費がかかることになる。使われる用紙は54万枚ほどで、コストという面ではトナーと大きく水をあけていることがわかる。つまり紙ではなく「トナー」の削減に注目したほうがより効率的に運用コストを下げることにつながるのである。

 「トナーの使用量を削減できれば、印刷にかかる運用コストも大きく削減できます。トナー代で年間300万円ほどのコストがかかっている場合、30%ほどの削減でも90万円のコストを削減することになります。目に見えて高い効果が得られるこのインパクトは非常に大きいと思います」(渡辺部長)とのことだ。

 「PretonSaver」は、1ページあたりのトナー量を最適化するアルゴリズムをコアテクノロジーとしたソリューションで、プリント品質を低下させずトナーの使用量を削減する。その技術はページプリンタだけではなく、インクジェットプリンタ、複合機などあらゆる印刷環境をサポート。導入するだけで、すぐに使える手軽さも特徴の1つといえるだろう。

■印刷をマネジメントするレポートツールで「見える化」を

 プリンタは、よりきれいで、より多くの枚数を印刷することに注力して開発が進んできた。確かに印刷物の表現力と企業の生産性は向上し、同じ時間でもより多くの業務がこなせるようになってきた。そこに「PretonSaver」を導入すれば、生産性を落とさず、運用コストの大幅な低減を実現する。

 「“PretonSaver”の機能的な特徴として、コンソールでの集中管理が可能となっています。ユーザーやグループ、アプリケーションごとにプリントポリシーを設定し、トナーの制限を可能としています。また、レポーティング機能も豊富で、実際の効果を視覚的に確認することも容易です」(渡辺部長)とのことだ。ユーザー情報はアクティブディレクトリから取得できるため、導入の障壁も低い。

 「PretonSaver」は、月別プリント量、アプリケーション別コスト、ユーザー別プリント量とコスト、プリンタ別プリント量とコスト、プリンタ/ユーザ/アプリケーション別運用管理などのレポーティング機能を有している。印刷コストの低減と印刷の「見える化」も実現しているのである。

 「一般企業だけでなく、官公庁からも注目されています。ISO 14001の目標項目としても挙げることができるでしょう。また、従業員数が少ない企業でも、印刷枚数が多い場合には、十分に導入のメリットが出せます」(渡辺部長)。

 「PretonSaver」は最小50ライセンスからの販売で、追加は5ライセンスごとになっている。つまり、部門や部署などのスモールスタートも可能だ。販売しやすいソリューション、ライセンス体系のため、パートナー企業からも注目されている。

 「“PretonSaver”は、導入・運用の手間がかからず、販売しやすいソリューションだと思います。また、付加価値としても利用しやすく、導入効果もすぐに見えます。システム導入でのコストが課題となり、導入に二の足を踏んでいるようなお客様にも、本製品を組み合わせた新しい提案が可能となるでしょう」(渡辺部長)。

シーティーシー・エスピー=http://www.ctc-g.co.jp/~ctcsp/

(週刊BCN 2008年3月17日号掲載)

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