u-Japanも視野にアライアンスを強化
「Tie Cube#2」開催で「PC運用上手」を核とした先進ソリューションを提案

　2008年2月に開催した第2回One-Stop Solution Exhibition「Tie Cube#2」で、東芝情報機器はPC統合セキュリティシステム「PC運用上手」を核に、ベンダー各社とのアライアンスによる情報活用や資産管理の先進ソリューションを多数公開した。07年開催の第1回では販売店や社内営業部門向けの内覧会が目的だったが、今回は顧客企業向けも含めた統合ソリューション展へ拡大して開催。2010年のu-Japanも視野に入れた先進の“ワンストップソリューション”をアピールした。


セキュリティを中核にした
ベンダーソリューションが勢揃い

　「Tie Cube#2」は、07年10月に移転した東芝情報機器（TIE）の新本社を会場に、さる2月14、15日の両日で開催。1日だけの内覧会だった前回に比べ、今回は14日に販社やTIE社内営業部門向け、15日は顧客を招待し、質量ともに充実した展示会となった。

　「ワンストップソリューションを提案することで東芝のnote pcをお客様がより最適な環境で、いつでもどこでも、安全・安心に活用できるようにしたい、というのがTie Cubeの意図。したがって今回は、提携ベンダーのソリューションを前面に出して展示した」（TIE マーケットクリエーション部長 金沢良男氏）。

　展示内容は、情報漏洩防止ソリューション、次世代IPボイスシステム、アプリケーション仮想化、WiFi LAN指紋認証アクセスなど多彩。特にTIEのPC統合セキュリティシステム「PC運用上手」をプラットフォームにしたベンダーソリューションが充実ぶりを見せた。

　「日本版SOX法やPマーク制度の監査項目で不可欠なのはID管理。PC運用上手は代表的なID管理システムであるActive Directoryを、専門知識がなくとも活用できる」（同）のが大きなメリットで、中小企業からの評価が高い。　なかでも、今回の「Tie Cube#2」では、PC運用上手とプリンタの検知機能を連携させたプリンティングソリューション（富士ゼロックス）、eメールでの受注案件の解析ツール「SCRUM」（デジタル アイ）、「大判サイズイメージデータ圧縮」（セイコーアイ・インフォテック）、「SecurePrint!」（CEC）などのソリューションに注目が集まった。

「PC運用上手」との連携が
提案を豊富にし販路を拡大する

　「PC運用上手」はTIEの強力な武器になっているが、それは提携ベンダーにとっても同様だ。

　「PC運用上手との連携によって販路が広がり、お客様に対するアプローチの方法が今までとは違った、各ベンダーの強みを生かし、弱みを補うトータルソリューションとして提供できる」（金沢氏）。実際、「PC運用上手」の導入がきっかけで大量のPCを東芝製に総入れ替えした中堅流通業、セキュアなIT環境を実現した学校、サーバーを半減させた企業など、すでにさまざまな導入事例が挙がっている。

　「PC運用上手はセキュリティや内部統制の根幹。ここを押さえれば、クライアント管理、ドキュメント管理へのさまざまな提案が広がっていく。07年8月の発売開始後、約1000社のプロスペクトは確保している」という。ベンダーや販社に対して金沢部長は「アライアンスを強化することで“Win-Win”のビジネス展開をやっていきたい」と話す。

5-6月に中部、関西でも開催
パートナーとのアライアンスを更に強化

　「Tie Cube#2」ではベンダーと連携して、合計13件のセミナーも開き、2日間で500人を超す来場者を集めた。今後、08年5-6月に中部地区、関西地区でも「Tie Cube」を開催予定だ。

　「エリアごとに市場環境は異なるので、エリア戦略も視野に入れながら展開したい」（金沢氏）と、きめ細かな対応を図る。「全国を網羅している営業、SE、サービスと、当社の商品、アライアンス事業展開をお客様に提案することで、入り口から出口までのワンストップソリューションを実現したい」（同）と、その士気は高い。

　今後、同社では3回の訪問で商談を成約させる「スリーコール・サクセスロード」などを一例として、Active3iを中心とした営業プロセスのイノベーションを一段と推進する。2010年のユビキタスネットワーク社会の実現に向けて、総務省のu-Japan政策がスタートしており「今夏以降、これがクローズアップされ、セキュリティがより重要視されてくる」と金沢部長は判断する。そうした“追い風”にすばやく乗る意味でも「PC運用上手」を中心としたパートナーとのアライアンスが一層強化されることになりそうだ。

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