Special Issue

<セキュリティソリューション特集>管理・運用工数の削減が大きなテーマに(上)

2008/06/09 19:56

週刊BCN 2008年06月09日vol.1238掲載

カシオ計算機
市場を創り出し続けるパイオニア的存在
二の足を踏まず導入できる「SPEEDIA N3600」

市場に先がけて提案
自社開発が強みに


 個人情報保護法や日本版SOX法などの影響によって、企業のセキュリティ意識が非常に高まっている。大企業はもちろん、中堅・中小企業もビジネスを行ううえでセキュリティ対策は必須となりつつある。現在では、企業内の情報システムはもちろん、情報を出力するプリンタにおいてもセキュリティが重要視されている。

 「当社では、非常に早い段階からセキュリティに積極的に取り組んでいます。現在、不正コピーを牽制するために、コピーすると文字が浮き出る“地紋印刷”に対応したプリンタが各社から提供されています。しかし、当社では、業界に先がけて2001年にこの機能を搭載しました」と、国内営業統轄部・システム企画部・VCI企画室の西田公浩リーダーは語る。

 カシオ計算機は、セキュリティに限らず、常に市場に対して新しい提案を続けてきた、カラーページプリンタのパイオニア的な存在だ。例えば、卓上型のタンデムカラーページプリンタも、業界に先がけて提供したのはカシオ計算機だ。実は同社は、プリンタのエンジンやコントローラー、ドライバまですべて自社開発している。そのため、市場ニーズにいち早く応えた機能を提供できるのである。

「N3600」では
導入の障壁をさらに低減


 06年には、コンパクトで軽量なA3カラーページプリンタ「SPEEDIA(スピーディア) N3500」を発売。「N3500」では、社員証や電子マネーなどで活用されているFeliCaやMifareなどの非接触ICカードを活用した「認証プリント」機能を提供しており、よりセキュアな印刷環境を提案した。

 「認証プリント」機能は、プリンタに内蔵したハードディスクドライブに一時的に印刷データを蓄積し、対応したICカードやパスワードで認証した後、印刷を実行。印刷物の取り忘れや第三者による持ち出しを防ぎ、強固なセキュリティ環境を構築する。

 

 「非接触ICカードを使った認証プリント機能は、複合機で展開されるケースはありましたが、プリンタでは導入がほとんどありませんでした。そこで、“N3500”では、新たにICカードを発行することなく、利用できるように工夫しました」(西田リーダー)とのことだ。

 「N3500」はサーバーレスで、ICカードも社員証などで使っている既存のものを活用できることから、コストを抑えつつ非常に簡単にセキュリティを高めることができる。また、無駄な印刷をなくし、運用コストの低減にも寄与する。

 

 しかし、クライアントPCに専用のソフトウェアを導入する必要があったり、カードリーダの導入コストが課題となるケースもあり、全社で活用するまでには至らないケースも見受けられた。

 「セキュリティを高めたいというニーズはあるものの、コストなどで二の足を踏んでしまっている企業様に対して、何らかの提案ができないだろうかと考えていました。そこで“SPEEDIA N3600”では、セキュアな認証プリントをすぐ実現できるようプリンタ本体とドライバに機能を盛り込みました」(西田リーダー)。

 N3600は、08年6月にリリースされた新機種だ。ICカード登録モードを搭載し、クライアントPC側にカードリーダや専用ソフトウェアを不要とした。つまり、プリンタ側のセキュリティセットを購入するだけで「認証プリント機能」を利用することができる。

 「“N3600”は、“セキュリティを高めたいがコストが課題”というケースでも、十分活用していただけると思います。“まず、はじめてみませんか”という提案ができる製品だと自負しています」(西田リーダー)。

 「N3600」をはじめとして、同社の製品は付加価値が高い。そのため、提案の幅も広がり、顧客はもちろん、パートナー企業にとってのメリットも大きい。カラーページプリンタのパイオニアとして、今後の展開にも期待がかかる。


カシオ計算機=http://casio.jp/

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