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<プリンティングソリューション特集>省スペース・省エネなどニーズは多岐にわたる(下)

2008/07/07 19:56

週刊BCN 2008年07月07日vol.1242掲載

ヒサゴ
対応ソフトの拡充で、ISVおよびSIパートナーの付加価値に活用
マルチプリンタ帳票で市場を創る

ニーズを先取りし帳票の業界標準に

 1939年に「小川封筒店」として開業したヒサゴは、紙を主軸としたビジネスを70年近く展開し、老舗企業として知られている。なかでも、プリンタ帳票の製品化には早期から取り組み、現在では事実上の業界標準と認知されている。同社は、紙のビジネスを続けていくなかで、商品の安定供給を第一に考えてきた。最近では再生紙偽装問題で業界が揺れ、コピー用紙の入手すら困難になった時期もあったが、常にユーザーの立場に立って考え、製品を安定供給する努力を続けてきた。

 「以前はドットプリンタで印刷するコンピュータ帳票がメインでしたが、レーザープリンタやインクジェットプリンタが主流となり、帳票もカット紙が使われるようになってきました。当社も時代の流れに合わせてさまざまな提案をしてまいりました。“マルチプリンタ帳票”は、ニーズを先取りした商品として2001年より提供しています」と、営業部 東京営業課の厚見裕子氏。

 現在、多くの業務ソフトの標準機能として、データと罫線を同時に印刷する「フォームオーバーレイ印刷」が搭載されている。この機能を使えば、コピー用紙を帳票として利用できるようになるため、帳票の在庫を持つ必要がないことから、一見コスト的にもメリットがあるように見える。しかし、印刷した用紙を帳票のサイズに切断したり、穴開けといった作業が不可欠となるため、実は運用コストが増加してしまうばかりか、なかには切断に失敗するケースもあり、決して使いやすいというものではない。「マルチプリンタ帳票」は、この課題に応えるソリューションだ。クリアカットミシン加工が施されており、複数枚重ねた場合もきれいに切り離せ、ファイル穴は「スターホール」加工により、紙詰まりや二重送りなどが起こらないよう工夫されている。そのため、業務効率・生産性の向上と運用コストの低減を両立し、多くの顧客課題に応えることができた。また、アイデア次第でどんな帳票にも応用できるため、活用の幅も広い。

パートナーの付加価値にヒサゴの帳票を活用

 「ソフトウェア開発環境展(SODEC)などのイベントなどでも“マルチプリンタ帳票”は注目されていました。ソフトハウス様も、非常に興味を持たれていました。イベントやお客様の声などを通じて、“マルチプリンタ帳票”の潜在的なニーズが確実にあると実感します」(厚見氏)。「マルチプリンタ帳票」は、ソフトハウスやSIerにとってもメリットがある商材である。多くの業務ソフトウェアは、情報システムでの業務効率・生産性の向上を目指しているが、出力された帳票までは視野に入れていない。しかし顧客にとっては、情報システムを扱うだけが業務ではない。出力を含めたトータルな環境での提案が不可欠だ。また自由な帳票設計が可能であるため、付加価値として活用しやすい。

クリックで拡大 SODECのブースでも、「マルチプリンタ帳票」対応の20種類超のパッケージソフトが展示されていた。これらのパッケージソフトは「マルチプリンタ帳票」に対応することで、出力を含めた業務効率・生産性が改善できる。それらを提供しているベンダーは、「紙」まで見据えたビジネスを実現することから、成長を加速させる要因になり、ヒサゴにとってもパッケージソフトの対応が増えれば市場を広げることができる。「今後さらに多くのソフトウェアとの連携を強化していきます。当社の帳票を活用したいというパートナー様は、ぜひお声がけください」(厚見氏)。


ヒサゴ=http://www.hisago.co.jp/

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