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<SMB向けストレージ市場特集>ストレージ拡大のカギ IPSAN

2008/11/27 19:56

週刊BCN 2008年11月24日vol.1261掲載

【Column】NAS選定の際はOSにも注目

NASを使った情報共有が人気

 企業には、部署や部門など多くのグループが存在している。最近では、それぞれのグループの連携を密にし、企業競争力を向上させていくという目的で、情報共有を推進する企業が増えているようだ。

 また、情報インフラとして、インターネットやLANといったネットワークインフラが構築されており、情報共有を行う環境も整いつつある。

 総務省の「通信利用動向調査(企業編)平成19年度調査」によると、従業者100名以上の企業のうち、企業内と企業間の両方構築=62.7%、企業内のみ構築=27.6%、企業間のみ構築=2.0%という結果が出ている。つまり、92.3%もの企業が、企業内通信網や企業間通信網を構築しているということになる。

 通信網が構築されたことによって、企業間の情報共有はより活発に行われている。そのなかで、導入・運用が比較的容易なNAS(Network Attached Storage)を導入する企業が増えているようだ。NASは、ファイルサーバー専用アプライアンス製品で、OSやストレージ、管理ソフトウェアなど別途用意することなく、すぐに導入・運用できる。NASのエントリーモデルでは価格を抑えるために、OSにLinuxを採用するケースが多く、管理ソフトウェアなどもベンダーごとに独自のものを搭載している。つまり、管理・運用方法はそれぞれの製品によって全く異なり、台数が増えるほど管理・運用工数も増大していく。すでにディレクトリサービスを構築している企業でも、ユーザー情報などをそれぞれ入力するケースもある。また、サーバーのように別途アプリケーションを搭載し、管理・運用工数を低減させることも難しい。

管理・運用を容易にするWindowsベースのNAS

 これらの課題に応えるべく、OSに「Windows Storage Server2003 R2」を採用した製品が登場し始めている。「Windows Storage Server2003 R2」は、Windows Server 2003 R2をベースとしたファイルサーバー用のOSで、ファイルの共有、ストレージ強化、バックアップや復元などが可能だ。Windowsベースであるため、Active Directoryのユーザー情報を利用できることから、これまでの管理方法を変えることなく運用できる。

 さらに、NAS本体にアンチウイルスやバックアップソフトなどのソフトウェアをインストールし、管理・運用工数の低減やセキュリティの向上も実現できる。アイ・オー・データ機器やロジテックなどの周辺機器ベンダーは、「Windows Storage Server2003 R2」を採用したNAS製品を数多く投入している。これらのベンダーは、ソフトウェアベンダーと協業し、ソフトウェアの動作検証も行っており、NASを単なる情報共有のためのストレージとしてではなく、顧客企業の課題を解決するソリューションとして提案できるような体制を整えている。

 例えば、トレンドマイクロ社の「ウイルスバスターコーポレートエディション(サーバ版)8.0/8.0SP1」や「ビジネスセキュリティ5.0」、「Symantec Backup Exec System Recovery 8 Server Edition」などは、動作確認されているソフトウェアである。

 NASには、企業内の情報が集約される。そのため、セキュリティや信頼性がなにより求められる。NASのセキュリティや信頼性を容易に高められれば、ユーザーは安心して情報共有を進めることができるだろう。また、バックアップやレプリケーションなどを実現すれば、万が一の障害時でも、重要なデータを失うことなく業務を継続することができる。ここまでの安心感を得ることは、LinuxベースのNASでは困難だ。

 ファイルサーバ専用アプライアンスとはいうものの、採用しているOSは、導入後の管理・運用に大きく影響するものだ。普段は気にもとめないOSだが、NAS導入の際には、OSに注目することをお勧めしたい。