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<セキュリティソリューション特集>セキュリティは衰えず 不況下でニーズ高まる(下)

2009/04/27 19:56

週刊BCN 2009年04月27日vol.1282掲載

ラネクシー
すそ野を広げるべく「MylogStar Ver.2.0 Light」を投入
セキュリティ分野を第2の柱に育てる

 ラネクシーはこれまで、Windowsサーバー向けのイメージバックアップ・リカバリソリューションである「Acronis True Image」というプロダクトを主軸に展開してきた。コンシューマ市場で培われた使いやすさや信頼性は法人市場でも認知され、幅広い顧客が利用するに至っている。

 その同社が現在、第2の柱として育てるべく注力しているのが「情報セキュリティ」分野である。2008年10月に、セキュリティソリューションや業務システムの設計・開発を請け負っているウイングより、プロダクトソリューション事業の譲渡を受け、セキュリティ分野に本格参入したことは記憶に新しい。「“情報セキュリティ”ソリューションをどのように拡販していくかを考えたときに、製品ラインアップをそろえることはもちろん、お客様に適切に提案、支援ができる体制が必要です。そこで、当社では全国を9ブロックに分け、各ブロックに根付いたパートナー様の協力を得ながら、販促やセミナーなどさまざまな支援活動を強力に実施していきます」と、取締役・営業本部 本部長の市川栄治氏は語る。

 ラネクシーのセキュリティ分野の主力ソリューション「MylogStar」は、業界最多クラスとなる15種ものログ取得が可能だ。「本当に必要なログ」がきちんと収集できる数少ないソリューションといえるだろう。さらに、運用・管理などを容易にするなど、実際に活用できるロギングツールとなっている。ライセンス数は50万を超え、高い実績を誇る。

 導入効果が高い「MylogStar」だが、導入コストや提案の難しさといった部分が障壁となり、すべてのパートナーやユーザーにお勧めできるという商材ではなかった。そこでラネクシーでは「MylogStar」の信頼性はそのままに、機能をシンプルにすることで、コストを抑えた「MylogStar Ver.2.0 Light」を09年5月より提供する予定だ。「MylogStar Ver.2.0 Light」は、重要ファイルの操作履歴を残し、有事の際にはファイルのトレースを実現するソリューションだ。「MylogStar」と同様に、OSのカーネルレベルでログを取得しているため、ほかのロギングツールでは抜け道となっているような部分でも、きちんとログが取得できる。「“MylogStar Ver.2.0 Light”は、ファイルを中心にアクセス記録を取得します。導入・運用もシンプルですので、専任の管理者を配置していない中小企業のお客様にも提案できる商材です。また、これまでロギングツールを扱いにくいと考えていたリセラー様にも適した商材だと考えています」。

 「MylogStar Ver.2.0 Light」は、クライアントのライセンス費用が1台当たり2500円、保守費用を含めても3000円だ。差額分のライセンス費用だけで「MylogStar Ver.2.0」へのアップグレードも可能となっている。ロギングツールの導入を検討している企業にとっても、朗報といえるだろう。「“MylogStar”のすそ野を広げるために“MylogStar Ver.2.0 Light”は非常に重要な役割を果たすでしょう。手離れがよく、ロギングツールを扱ったことがないリセラー様が情報セキュリティ分野に展開するきっかけにもなり、さらにより高度なロギングツールが必要な場合にはアップグレードの提案も可能となるため“MylogStar”をご提案いただける機会が増えることと思います」。

 「MylogStar Ver.2.0 Light」は、市場のすそ野を広げる起爆剤としても期待している。このように市場ニーズに合致したセキュリティ製品を今後も拡充していき、ファミリー化していく予定だ。同社のセキュリティ商材は09年5月13日から15日までの期間、東京ビッグサイトで開催される「第6回情報セキュリティEXPO」でも展示される。実物に触れるチャンスといえるだろう。「“MylogStar”は、あらゆる企業ニーズに応える製品だと考えています。国内はもとより、海外展開も視野に入れて展開していこうと考えています」と、市川氏。ビジネスチャンスを広げている同社の展開に期待がかかる。


ラネクシー=http://www.runexy.co.jp/

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