アール・アイ(RI、小川敦代表取締役)は、2005年設立のベンチャーながら、バックアップソフト市場で存在感を高めている。07年に発売した自社開発のバックアップソフト「Secure Back」は、主要なディストリビュータが取り扱い、コピーメーカー販社、独立系SIer、メーカー系SIer、システムベンダーなど、100社程の有力ITベンダーが販売している。「台数の多いPCやサーバーを無意識に集中バックアップ」というコンセプトが、高い評価を得た。

小川敦 代表取締役
 9月下旬、RIは「Secure Back」に次ぐ主軸商品として新ブランド「Air Back」シリーズを発売した。「Secure Back」の使いやすさをさらに追求し、スタンドアロン型にして価格を抑えた。

 「Air Back」は、パソコンやサーバーのデータを、ユーザーが指定したデバイスに自動的にバックアップする。極めてシンプルな機能だが、それがRIの狙いでもある。小川代表取締役は、「多機能な製品をつくるのは、メーカーにとっては素晴らしいことだが、ユーザーはただ安全にバックアップがしたいだけ。分厚いマニュアルを読み、セミナーを受講し、資格を取得してようやく使いこなせるという製品には、いささか違和感を覚える。そもそもバックアップというのは、ユーザー企業にとって本業ではない業務。それだけに、私達は簡単な設定で安全に使える製品を心がけ、いかにしてシステムに負荷をかけないかを追求した」と説明する。

 その言葉通り、『かんたん・無意識・軽快』がコンセプトの「Air Back」にはユーザーにストレスを感じさせない工夫がたくさん施されている。パフォーマンスはスライド式で設定でき、業界特有の専門用語も極力省いてある。また、設定にはウィザードを多用しているためパソコン初心者でも抵抗なく使えるはずだ。

 ラインアップは、パソコン向け、ファイルサーバー向け、日本マイクロソフトのデータベース専用製品の3種類。特に、パソコン向けとファイルサーバー向けの製品はリアルタイムバックアップを主体としており、フルバックアップをとるのは、導入時のたった一度だけでいい。こういった点が、ユーザーの負担を軽くするのだ。なお、パソコン向け製品は、企業向けだけでなく個人にも販売し、法人向けは、既存チャネルを生かして提供する。

 小川代表取締役は、中期的なRIの方向について、「パソコンとサーバーを買えば、自動的に『Air Back』が付いているような環境をつくりたい。当社単独ではなく、流通事業者やハードメーカーと連携し、その仕組みを他社との協業によって構築したい」と展望を語っている。

 バックアップは、ユーザー企業にとって、規模に関係なく必要なシステムである。RIはその専業メーカーとしてバックアップ分野に今後も焦点を当て続ける考えだ。こだわりの使いやすさとわかりやすさを武器に、デファクトスタンダードとして認知されるよう、今後も力を尽くすとしている。

操作画面にはこだわり、アイコンや文字を大きくしてわかりやすくした