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<国内主要セキュリティソフト特集>IT資産管理・情報漏えい対策ソフト 国内メーカーが海外勢を圧倒 国産勢が優位に立つ

2012/04/26 19:56

週刊BCN 2012年04月23日vol.1429掲載

 海外製品が幅をきかせているソフトウェアの市場で、国産製品がひと際存在感を示す分野がある。それは、IT資産管理・情報漏えい対策ソフトだ。パソコンやOA機器などの資産の管理と、機密情報の漏えい対策では、諸外国にはない日本企業独特のニーズがある。海外のソフトメーカーではその要望に対応できない部分が多いことが、国産製品優位の要因となっている。セキュリティの市場で中心的な役割を果たす有力ソフトメーカーは、新製品・新バージョンを発表するなど、活発に動いている。この特集では、各社の最新事情を紹介する。

Sky
新版投入で高まる存在感
操作の容易性と高速処理、利用環境は幅広く

 Skyは、2012年1月、6か月ぶりにメジャーバージョンアップしたクライアント管理ソフト「SKYSEA Client View Ver.7」を発売した。ユーザーの要望を取り入れて多くの機能を追加し、既存機能の改良も図っている。

 最も大きなポイントが「使いやすさ」の向上だ。Skyは、初期版の開発時から簡単操作にこだわり続けている。見やすい管理画面と、専任の情報システム担当者でなくても迷いなく利用できるユーザーインターフェース(UI)は、「SKYSEA Client View」の最大の特徴になっている。新版では、さらにその使いやすさを追求した。トップの管理画面を刷新し、一つの画面に多くの情報を表示して一覧性を高めた。頻繁に使う機能は少ない手順で操作できるようにもしている。例えば、よく使う機能を新設の「お気に入りタブ」に登録すれば、マウスを操作する回数を減らすことができる。管理情報や使用制限の設定など、日々の管理に必要な各種設定項目を一つの画面にまとめたことで、運用状況をこれまで以上に簡単に把握できるようにした。

 操作スピードの向上も、新版の特徴だ。ログの検索時間を大幅に短縮し、Skyが行った8700万件のログを対象としたテストでは、検索時間は「Ver.4.0」に比べて約8倍速くなり、4分20秒になった。複数のログ種別の一括検索や、AND・OR検索なども可能で、利便性はさらに高まった。また、各パソコンに常駐させるエージェントソフトの消費メモリも減らしている。「Ver.3.2」では、約60MBあったメモリ量を、新版では約3分の1の20MBに抑えた。エージェントソフトが組み込まれているとは思えないほど、パソコンにかかる負担は減り、パソコンを使うスタッフは、快適に操作できる。

 対応OSとしてWindowsに加え、Mac OSとLinuxをサポートし、物理環境と仮想環境に対応したのも新版の特色だ。仮想化技術は「VMware」と「HyperーV」のどちらにも対応。また、管理対象のクライアント端末は、シンクライアント(仮想クライアント端末)もサポートした。両端末が混在したシステムでも、「SKYSEA Client View Ver.7」なら一元管理できるのだ。

 「SKYSEA Client View」は、1年に1回のメジャーバージョンアップが通例だが、今回、ユーザーの要望を製品に迅速に生かすために6か月という短期間で新版を投入した。トレンドをいち早く取り入れた最新版の存在感が高まるのは必至だ。

「SKYSEA Client View」の魅力である操作しやすい管理画面。新版ではUI(ユーザーインターフェース)を刷新し、多くの機能を迷いなく操作できる


Sky=http://www.skygroup.jp/

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