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<国内主要セキュリティソフト特集>IT資産管理・情報漏えい対策ソフト 国内メーカーが海外勢を圧倒 国産勢が優位に立つ

2012/04/26 19:56

週刊BCN 2012年04月23日vol.1429掲載

エムオーテックス
資産管理ツールのトップベンダーがSAMコンサルを開始
5月31日まで無償キャンペーンを実施

 企業の新たなIT資産管理手法として、ソフトウェア資産管理(SAM)に注目が集まっている。ソフトウェア資産が適切に管理されていなければ、企業は不正コピーによるライセンス違反が社内で起きていないかどうかを管理することができないだけでなく、不要なライセンス購入によるコスト負担など、さまざまな課題を抱えることになる。しかし、多くの企業は「何から始めればいいのかわからない」と、資産管理システムの導入に二の足を踏んでいるのが実情だ。

 こうした状況にあって、7年連続の市場トップシェア(富士キメラ総研調べ)を誇る資産管理ツール「LanScope Cat」を提供するエムオーテックス(MOTEX)は、2011年に日本マイクロソフトが認定する「Gold Software Asset Management コンピテンシー」を取得。その後、SAMに精通したトップレベルのパートナーとして、マイクロソフト認定技術者によるトレーニングセミナーなどを開講している。

 さらにMOTEXは2012年3月26日、「LanScope Cat」の導入企業、および導入を検討する企業を対象として、「SAM診断サービス」の提供を開始した。MOTEXがもつ高い専門性によって、自社の現状が容易に把握できるプログラムとなっている。

 メニュー内容は二つ。一つめの「SAM診断レポートサービス」では、SAMの専門知識を有する担当者が資産管理の状況をヒアリングし、運用に関する改善点などを洗い出す。具体的には、全5分野10項目のチェックリストをもとに診断し、ISO19770-1をベースとしたSAM最適化モデルによって、簡易診断レポートを作成する。

 二つめの「ライセンス過不足チェックサービス」は、マイクロソフト製品のライセンス過不足が把握できるサービス。企業内のハードウェアやソフトウェア、保有ライセンスなどの情報をもとに、ライセンスの過不足を判定する。なお、ソフトウェアとハードウェアの情報収集時には、「LanScope Cat」の無償貸出にも応じる。

 また、MOTEXが開催するトレーニングセミナーは、SAMに対する考え方から、「LanScope Cat」上でSAMの管理台帳を作成する方法まで、幅広いノウハウが学べる内容となっている。コンサルティングサービスと合わせて利用することで、資産管理ツールを活用したSAMの構築方法について理解が深まることは間違いない。企業のIT資産が多様化するなか、SAMの重要性はますます増大していくだろう。

・エムオーテックスSAM診断サービス 詳細はこちら
http://www.motex.co.jp/product/sam_consul.html


エムオーテックス=http://www.motex.co.jp/

クオリティソフト
広がるクラウドの顧客層
大企業・超大手の注目も集める

 クオリティソフト(久保統義社長)が開発・販売するクラウドサービス「ISM CloudOne」は、2011年の年間で新規ユーザーを7000社獲得し、累計ユーザー数が1万7000社に到達した。14社のSIer・ITサービス会社がパートナーとして販売する間接販売網を構築し、主に従業員50人以下の中小企業を獲得。従来、IT資産の管理とセキュリティ対策を十分に施していなかった企業への販売で実績を上げた。

 坂田光太郎・営業本部ゼネラルビジネス営業部部長は、「昨年末から、購入を検討してくれる見込み顧客の層が広がっている」と、いっそうの拡販に手応えを感じている。これまでは、中小企業が多かったが、ここへきて従業員が数百人、数千人の企業からの引き合いが増加しているという。大手企業がグループ会社と協力会社を含めて「ISM CloudOne」を一括導入しようとする動きがあるのだ。

 「大手企業は、機密情報が漏れるのを以前よりも怖がっている。子会社でもなく、資本関係もないアウトソーシング先までも含めて、同等レベルのセキュリティ対策を施そうとしている。その際に当社のサービスを検討してもらうケースが増えてきた」(坂田部長)。大手企業は、1万7000社のユーザーを獲得している実績と、数万人を超えるケースでも安定稼働する信頼性、多言語対応といった点を高く評価し、「ISM CloudOne」の導入を前向きに検討している。

 また、タブレット端末とスマートフォンの普及が追い風になっている。「ISM CloudOne」では、AndroidとiOSのどちらのOSを搭載する端末でも、パソコンと同じように端末の管理とセキュリティ対策を施すことができる。端末のハード・ソフト資産情報を把握したり、紛失した場合に遠隔地から操作をロックしたりすることが可能だ。ネットワークやアプリケーションの利用を制限でき、それらの設定を一斉に行うこともできる。「現段階でタブレットとスマートフォンの利用企業は、最先端のITに積極的な大手企業が中心。AndroidとiOSの両OSをサポートする観点から、『ISM CloudOne』を知ってくれた大手ユーザー企業も増えてきた」(坂田部長)。

 クオリティソフトは、高まる需要を受けて、現在14社のパートナーを拡充する方針だ。年内に3~4社増やすつもりで、販売力の強いSIer・ITサービス会社を探している。大手ユーザー企業のセキュリティ対策強化の動きと、スマートデバイスの登場で、「ISM CloudOne」には追い風が吹いている。

 「中小企業向けのIT資産・セキュリティサービス」というこれまでのイメージは変わり、企業規模を問わずに受け入れられる「万能クラウド」という評価を得ていくのは間違いない。



クオリティソフト=http://www.quality.co.jp/

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