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<ストレージ特集>フォースメディア QNAP社製NASの販売が絶好調 パートナーシップで、2013年は『本格的成長』

2013/02/22 19:55

週刊BCN 2013年02月25日vol.1470掲載

 設立から4年目を迎えたフォースメディアのビジネスが非常に好調だ。QNAP社製のNASを中心としたストレージビジネスは、昨年200%成長を達成した。QNAP製品の知名度が向上し、信頼性が評価されたことで法人向け販売が本格的に立ち上がり、成長を後押しした。同社では、QNAP製品と無停電電源装置(UPS)との組み合わせ販売を推進するほか、アマゾン社の「AWS Partner Network(APN)」テクノロジーパートナーとして、クラウドストレージサービスを活用した提案により、QNAP製品のさらなる市場開拓を進める。

対前年200%成長を達成
国内のミッドレンジ市場を開拓

代表取締役社長
池田 譲治 氏
 2010年1月設立のフォースメディアは、QNAP社のNAS製品「Turbo NAS」シリーズを中核商材として、ストレージビジネスを展開してきた。昨年からは法人向けNASビジネスが本格的に立ち上がり、売上高で対前年200%成長を達成した。池田譲治社長は、「今年も出だしから非常に好調で、本来であれば売り上げが落ちる1月だが、対前年同月比でさらに200%ペースが続いている」と胸を張る。

 この好調の要因について池田社長は、製品ラインアップの拡充とQNAPブランドの信頼度向上を挙げる。製品ラインアップについては現在、1Bayから16Bayまで、規模に合わせて選択できるよう幅広く取り揃えている。また、QNAP社は世界でNASの筺体のみを販売しているが、フォースメディアでは顧客からの要望と導入時の手間を削減するために、あらかじめRAIDを構築したHDD搭載モデルを販売しており、安心・信頼を高めるとともに導入の容易さをアピールしている。

 「とくに、当社で調達した高信頼性のニアラインHDDを搭載したモデルの売り上げが伸びている。以前から全国の有名国立大学をはじめとする文教市場や公官庁での採用が目立っていたが、信頼度アップに比例して、大手企業の部門ストレージなどとしても導入が増加している」と語る。

 保守・サポートの充実も強みとしている。フォースメディアでは、保守サービス「先出しセンドバック保守」と「オンサイト保守」を提供している。先出しセンドバック保守は、万が一の障害発生時には、同社から代替機や交換用のHDDを発送するもの。従来のセンドバック保守では、修理完了後の返却まで運用が停止する恐れがあったが、先出しによって短期間で運用を再開することができる。また、オンサイト保守は、障害発生に際して基本的に全国翌営業日もしくは翌々営業日までに同社から保守作業員が設置先を訪問し、修理交換に対応する。これらのサービスにより、ユーザー企業は安心・安全なデータ運用を実現できるわけだ。

 「これまで国内のストレージ製品はハイエンドとコンシューマ製品に二分され、ミッドレンジがほとんどなかった。従来、高価なエンタープライズ製品しか選択できなかった大企業の部門や、コンシューマ向け製品を使っていた中小企業の基幹系ストレージとして、信頼性、コストバランスにすぐれたQNAP製品は有望な商材になる。日本のミッドレンジ市場をより本格的に開拓したい」と力を込める。

 「QNAP製品の信頼性の高さは、販社にとっても手離れのよさ、サポート負荷の軽減という大きなメリットがある。ぜひ、当社が提供するQNAP製NASを扱ってほしい」

UPSとのセット販売
クラウドサービスで新市場を開拓

 法人向けのQNAP製品の販売強化を掲げるフォースメディアでは、パートナーシップの取り組みも進めている。2011年12月に取り扱いを開始したサイバーパワー社の無停電電源装置(UPS)と、QNAP社のNAS製品をセット販売する取り組みを2012年夏から本格的にスタートした。NASは法人市場ではUPSと一緒に稼働していることが多いことから、主要ターゲットとするハイエンドSMB市場に向けて、UPSをツールにしてNAS製品の販売を促していく。

 QNAP社製NASにサイバーパワーのUPSをバンドルすることで、急な停電といったトラブルの際に正常な手順でNASをシャットダウンすることができる仕組みを実現する。また、NAS製品と同様に、3年先出しのセンドバック保守メニューを追加して、サポート体制の充実を図る。

 フォースメディアは、昨年末、アマゾン ウェブ サービスの「AWS Partner Network(APN)」にテクノロジーパートナーとして加入した。QNAP社製NASは、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)に標準で対応している。そこでAmazon S3のサービスを活用して、NASのバックアップ先をもたない中小企業などに向けて、安価で最適なバックアップ・ソリューションやBCP運用を提案していく。

 Amazon S3を活用したクラウドストレージのサービスは、中小企業だけでなく、大手企業などからの引き合いもあるという。すでに、多数の拠点をもつ建設業や小売業に向けてAmazon S3サービスを使用するソリューションを提案しており、建設業では複数の案件が近く採用される見込みだ。また、2月25日から「クラウドストレージ バックアップ体感キャンペーン」を実施。これはAWSが無料で提供する5GBに加え、フォースメディアが10GB分の保存領域を無料で提供することで、合計15GBのストレージ容量を提供するものだ。これにより、ユーザーにQNAP+Amazon S3の利便性をアピールしていく。

 「QNAP、サイバーパワー、Amazonとのパートナーシップを武器に2013年も対前年比で売り上げ倍増を目指す」と、池田社長は強気の姿勢をみせる。

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外部リンク

フォースメディア=http://www.forcemedia.co.jp/