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<クラウド特集>at+link 「at+linkプライベートクラウド ライト」が始動 専用型のクラウド(IaaS)環境を安く提供

2013/02/28 19:55

週刊BCN 2013年02月25日vol.1470掲載

 ホスティングサービスベンダーのat+link(エーティーリンク)は、専用サーバーにクラウド機構を組み込んだ「at+linkプライベートクラウド ライト」を、今年3月以降、開始する。

内木場健太郎
at+link事業部
事業部長
 同社の専用サーバー内にプライベートクラウド環境を構築できるサービスで、価格を極力抑えたのが特徴だ。モデルケースでの仮想マシン(VM)1台あたりの月額利用料は1200円程度。VMごとの課金ではないため、社内決裁や申し込み手続きなどが不要で、必要時、即座に立ち上げることができる。

 ソフト開発環境や専用サーバー環境を必要とするウェブサイトなどの利用を見込んでおり、ソフト開発会社やウェブ制作会社を主なユーザー層に位置づけて設計した。

 at+linkが提供する「at+linkプライベートクラウド ライト」は、初期費用無料、月額利用料1万5000円(税抜き)で、VM数の制限はない。ただ、ITリソースは限りがあるため、標準構成の場合13個ほどのIPアドレスを割り当てて運用することを想定している。この数をベースにして計算すると、標準構成における1台あたりのVM費用は月額1200円程度と、「専用サーバーによるプライベートクラウド環境としては業界トップクラスのコストパフォーマンス」(内木場健太郎・at+link事業部事業部長)を実現した。

 at+linkは、パブリッククラウドの「at+linkクラウド」、専用サーバー「at+link専用サーバーサービス」、ハウジングの「at+linkコロケーションサービス」など、さまざまなデータセンター(DC)活用型のサービスを手がけているサービスベンダーで、今回は実績のある専用サーバーに柔軟性が高いクラウドの仕組みを実装した。

 想定する主なユーザー層は、ソフト開発会社やウェブ制作会社などで、こうした会社は、クライアント別のソフト開発環境であったり、専用のウェブサーバー環境に対するニーズが強い。しかし、激しい競争のなかで従来のように物理的な専用サーバーをそれぞれ用意していてはコスト的に採算が合いにくくなっているのも事実だ。そこで新サービスの「at+linkプライベートクラウド ライト」では、KVMというクラウド基盤技術を活用し、仮想的に専用サーバー環境をつくりだすことで、コスト要件と専用サーバー環境に対するニーズの両方を満たす設計にした。

 月額利用料1万5000円の範囲内で、有料でメモリやハードディスクドライブ(HDD)を増やすことでより多くのVMを動かすことも可能。ITリソースをより多く必要とする場合は初期費用18万円から、月額利用料2万5000円の上位コースも用意した。こちらの場合は、VM1台あたり月額900円程度から利用できる。

 サービスメニューは順次拡充していく予定で、今後1年間で300ユーザーの獲得を目指す。
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