Special Issue

IIJが海外展開を加速 パートナー企業とともに世界へ

2013/06/13 19:55

週刊BCN 2013年06月10日vol.1484掲載

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、東京ビッグサイトで開催された「Japan IT Week 2013【春】」に出展し、海外展開を加速するグローバル戦略を訴求した。IIJのグローバル戦略の軸となるのは、同社のクラウドプラットフォーム「IIJ GIO」だ。本格展開からわずか3年で、すでに1000社の導入実績を誇る「IIJ GIO」は、安全性、柔軟性、対費用効果に強みをもち、IaaSを中心とした幅広いラインアップで企業システムのクラウド化に応える。AT&Tのアウトソーシングサービス事業を継承したことによるグローバルサービスのノウハウと、世界6か国10都市をカバーするサービス基盤、さらに350社に上るパートナー企業と連携することで、基幹システムや業務システムのグローバル化をサポートし、地域特性に応じたシステム展開を可能にするという。

企業ITにとってクラウドはなくてはならない存在になる

時田一広
専務執行役員 兼
クラウド事業統括
 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、5月8日より東京ビッグサイトで開催された「Japan IT Week 2013【春】」の「クラウドコンピューティングEXPO」に出展し、ブースならびに特別講演で自社のグローバル戦略について講演した。

 特別講演には、同社専務執行役員 兼 クラウド事業統括の時田一広氏が登壇し、「クラウドがもたらす企業ITへのイノベーション」と題する講演を行った。

 講演で時田氏は、IIJの最近の取り組みとして、コンテナ型データセンターを活用し、電力使用効率を抑えたクラウド設備用の運用を行なっていることを説明し、さらにホスティングサービスとクラウドサービスの品質に関して独SAPの「SAP Certified in Hosting Services」および「SAP Certified in Cloud Services」認定を取得したことも明らかにした。さらに、「日本企業のグローバル展開を、現場と連携してサポートする」と、同社が急速に進めるグローバル展開についても説明し、さまざまなシステムにおける「IIJ GIO」の導入事例を紹介した。

 時田氏は、「IIJ GIO」のユーザー企業に対するアンケート調査では、稼働率、信頼性、パフォーマンスのいずれも9割以上の企業から評価を受けていることを報告し、安定した環境における継続的なサービス展開・開発こそがイノベーションにつながるとし、「今後クラウドは拡大し、企業システムになくてはならないものになる。引き続き、貢献できるよう頑張っていく」と意気込みを語って講演を終えた。

日本企業の海外展開をパートナーとともに支援

清水博
グローバル事業本部
グローバル統括部
部長
 IIJの出展ブースでは、「IIJ GIO」の特長などを紹介する「IIJ GIOサービスと海外展開」、クラウド化したグループウェアやワークフローを紹介する「オフィスIT」、パートナー企業による基幹業務アプリケーションサービスを紹介する「エンタープライズ・アプリケーション」の三つの展示が行われた。また、IIJのグローバル事業本部グローバル統括部の清水博部長による、「IIJの海外展開について」と題するプレゼンテーションも行われた。

 清水氏はセッションの冒頭で、海外進出へのニーズが高まっているなかで、「数か月から半年の短期間で海外に拠点を開設し、ITインフラを構築するというスピード感が求められる。新規市場に速やかにエントリするためには、ITで武装しておかなければいけない」と語り、新規市場への迅速な参入、従来の進出モデルの見直し、グローバルでのシステム再構築というグローバルに展開するうえでのITの三つの課題を指摘した。

 そのうえで清水氏は、海外進出にあたって、機器調達やITインフラ、商慣習といった現地の状況に対して計画的に対処することで、問題を事前に回避することができるとし、現地ITのブラックボックス化を防いで運用コストを低減する同社のパッケージ化ソリューション「海外拠点開設パック」を紹介した。また、「IIJには、AT&Tのアウトソーシングサービス事業を継承したことによるグローバル対応能力と、世界6か国10都市の拠点に及ぶグローバルカバレッジがある」として、企業のグローバル展開には同社のノウハウとインフラが有効であると強調した。

 また、「IIJ GIOパートナープログラム」には350社のパートナー企業が参加していることを報告しながら、「海外展開する日本企業のおそらく8割ほどがERPを利用している。例えば、国内で利用しているERPを海外でも使いたいという場合、これまではサーバーやサポート面でいろいろな問題があったが、IIJ GIO上で動かすことができるシステムであれば、そのまま展開可能だ」と説明し、パートナー企業とともに、海外拠点でのスピーディなシステム構築・運用を支援すると述べた。

 そして、「IIJは日本国内のワンストップの営業窓口で、国際拠点間のネットワークのみならず、進出先の諸事情を考慮したITシステムの提案を行なっていく。ぜひ、われわれと一緒にグローバルに進出していきましょう」と語り、プレゼンテーションを締めくくった。

IIJのブースでは、クラウドサービス「IIJ GIO」の紹介だけでなく、「IIJ GIO」で動作する主要パートナーのソリューションも並んだ。IIJが目指す「パートナーとの協業によるグローバルサービス」を強く印象付けた

国内有数のERPベンダーがクラウドサービスを出展

 IIJのブースの「エンタープライズ・アプリケーション」のコーナーでは、IIJ GIOのパートナー企業のソリューションとして、日揮情報システムの建設業向け工事原価管理システム「BEStPRO-原価C3」、内田洋行のintra-mart基盤の国産ERP「Super Cocktail Innova」、東洋ビジネスエンジニアリングのグローバル対応SCMパッケージ「MCFrame」、スーパーストリームの統合会計システム「SuperStream-NX SaaS対応版」も展示され、パートナーのソリューションと組み合わせたIIJのグローバルクラウドサービスを提案した。ブース来場者にパスポートを模した「グローバルクラウド旅券」が発行されるなど、IIJのブース全体がグローバル一色となっていた。

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~IIJ GIOビジネスパートナー説明会開催概要~】


▽開催日……………2013年7月11日(木)
▽開催場所…………IIJ神保町本社 17階大会議室
▽スケジュール……16:00~17:30
1. IIJクラウドサービスの全貌とパートナー企業との海外事例
2. IIJ GIOパートナープログラム 中国市場向け支援メニューのご紹介

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外部リンク

インターネットイニシアティブ=http://www.iij.ad.jp