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ファーウェイ・ジャパン、サイバーエージェント インターネットサービス 「Ameba」を支えるファーウェイ製品 大規模なプライベート環境にも最適

2015/03/12 19:55

週刊BCN 2015年03月09日vol.1570掲載

 サイバーエージェントは、ブログをはじめとする多くのコミュニティサービスやゲームなどを提供するインターネットサービス「Ameba(アメーバ)」に、ファーウェイ・ジャパン(ファーウェイ、華為技術日本)が提供するPCIe SSDカード「ES3000 V1(ES3000)」を活用している。また、運用の自動化を実現する独自開発のソフトウェア「Clover(クローバー)」を使ったプライベートクラウド環境にファーウェイ製1Uラック・サーバーの「HUAWEI FusionServer RH1288 V2(RH1288 V2)」を導入している。導入の決め手は、高性能で他社製品と比べて故障率が極端に低い点だ。コストパフォーマンスのよさも高く評価している。

サイバーエージェントのシステムを運用している50人体制のインフラ&コアテク本部において怡土氏(左)は中枢を担っている。平野氏は主にプライベートクラウド環境の運用を担当

ベンチマークで44万IOPSを記録

怡土研也(いとけんや)
インフラ&コアテク本部
マネージャー
 インターネット広告代理店として1998年に設立されたサイバーエージェントは、いまではAmeba関連事業やインターネットメディア事業など、ビジネスの幅を広げている。とくに、Amebaは昨年9月に10周年を迎えて、利用者数が4000万人を突破。国内最大級のインターネットサービスとして名を馳せている。

 そのAmebaの大規模なシステムを支えている製品の一つがES3000だ。2013年秋頃から導入している。インフラ&コアテク本部マネージャーの怡土研也氏は、「当社のシステム運用のコンセプトは、徹底した業務効率化と低コスト化。システム担当者が常に新しい製品を探している。そのなかで、ファーウェイ製品に出会った」と経緯を振り返る。あるメーカーのSSDカードが故障したことでES3000にリプレースすることになったのだが、「導入を決めたのは、他社製品と比べて抜群に高性能だったから」と、インフラ&コアテク本部プラットフォームユニットの平野智洋氏は評価している。

 実際のシステムでは、1台のサーバーに2枚のES3000を挿して構築。ベンチマークを行ったところ、44万IOPSと、他社製品と比べて2倍以上の数値を記録した。平野氏は、「ブログのタイムライン配信に使用し、レプリケーション遅延の解消につながった。レイテンシは、導入前と比べて10分の1になった」という。現在では、21台のサーバーでES3000を採用している。

ラック・サーバー200台を採用

平野智洋(ひらのともひろ)
インフラ&コアテク本部
プラットフォームユニット
 ES3000を導入して高性能であることを認識したサイバーエージェントは、ラック・サーバーでもファーウェイ製品を採用することを決断。そこで目をつけたのが、Intel Xeon E5-2600 V2のプロセッサを2基搭載可能で768GBの最大メモリと最大12TBの内蔵ストレージを備えたRH1288 V2だ。導入したのは2014年の春。現在では、200台ほどのRH1288 V2を運用している。

 平野氏は、「プライベートクラウドで最も重要なポイントは、停まらないシステムであるということ。他社製品と比べて故障率の低い点が採用の決め手になった」としている。実際、100台あたりの故障発生件数は、他社製品が1.0~1.3台に対して、ファーウェイ製品は0.3台の低さだという。サイバーエージェントは、故障発生件数が極端に少ないことを高く評価し、子会社のサムザップが提供するスマートデバイス向けリアルタイムバトルRPG「戦国炎舞」の物理サーバー環境でも50台のRH1288 V2を導入することにした。

迅速なトラブル対応に期待

 サイバーエージェントのシステム構成として、怡土氏は「当社は、社内システムとして、物理環境、プライベートクラウド、パブリッククラウドという3種類の環境を整備している。今後は、オンプレミス環境において、物理環境を小規模にして、代わりにプライベートクラウドの利用を促進する」との方針を示す。プライベートクラウドが主流になった場合、必要になってくるのはシステム運用の効率化、コストパフォーマンスのよさだ。平野氏は、「ファーウェイ製品には、高密度、低電力、新世代CPUへの迅速な対応に期待したい」との考えを示す。

 また、怡土氏は「当社は、米国を中心に外資系メーカーのサーバーを導入しているケースが多く、大きなトラブルが生じた場合、米国本社のサポートを待たなければならず、問題の解決まで多大な時間がかかることもあった。ファーウェイ・ジャパンのサポートには満足しているし、今後は本社が中国なので他社よりも距離が近いという点で、さらに迅速で質の高いサポートを提供してもらえるだろう」と期待を込める。

 国内最大級のインターネットサービス、Ameba。そのIT基盤をファーウェイは支えており、サイバーエージェントからの評価も高い。存在感はさらに高まりそうだ。

サイバーエージェントがファーウェイの「ES3000」「RH1288 V2」を活用して構築しているシステム
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外部リンク

ファーウェイ・ジャパン=http://www.huawei.com/jp/

サイバーエージェント=https://www.cyberagent.co.jp/