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フォースメディア 徹底した販売支援でSIerをサポート ミッドレンジ以上の市場に対する対応強化で法人ビジネスを拡大へ

2015/06/11 19:55

週刊BCN 2015年06月08日vol.1582掲載

 台湾QNAPのNAS「Turbo NAS」シリーズの国内正規販売代理店、フォースメディアは、仮想環境での利用を想定した製品を充実させるとともに、ミッドレンジ以上の市場に対する販売支援施策の強化により、さらに法人向けビジネスを拡大しようとしている。販売パートナーのSIerに向けて、提案力強化を後押しする販売支援施策「ストレージソリューションプロバイダー(SSP)」を提供。加えて、大都市部のみならず、地方での販売強化にも取り組むなど、徹底的なサポートで販売実績を増やしていく方針だ。


仮想環境での利用を想定
使い勝手が向上した「Turbo NAS」

鈴木健一
ビジネス開発部
副部長
 「QNAP製品は、個人から企業まで幅広いユーザーがいる。そのなかでも、基幹システムの大容量バックアップやファイルサーバー用途など、企業の利用が増えている。企業の各部門でファイルサーバーとしての利用をはじめ、バックアップやアーカイブ用途などの需要を取り込んでいくため、製品面でも販売面からもさまざまな取り組みを進めている」と鈴木健一・ビジネス開発部副部長はアピールする。

 フォースメディアが今年4月に国内市場に投入した法人向けデスクトップタイプNASの新機種「TVS-ECx80シリーズ」「TVS-x63シリーズ」は、ニーズが高まる仮想化プラットフォームとしての利用を想定した製品。TVSの「V」は「Virtualization」を意味している。

 仮想環境での利用は、多くのリソースを消費する。そのため、TVSシリーズではCPUや搭載メモリなど標準搭載されるハードウェアのスペックを強化した。さらに、QNAPのアプリストア「App Center」で無償提供している「Virtualization Station」をインストールすると、標準構成でもTurbo NASを仮想化アプライアンスサーバーとして利用できるようになる。VMware ESXi、Citrix XenServerなどの仮想化OSをサポートするほか、マイクロソフトのHyper-VとWindows Server 2012との互換性も備えている。各種プラグインによって、仮想化アプリケーションとの相互運用にも対応している。

 また、Turbo NASシリーズに共通する強みの一つが、設定の容易さや、直観的でわかりやすいユーザーインターフェースなど、使い勝手のよさにある。Turbo NASのOS「QTS」は現行バージョンで、Virtualization Stationにも対応している。

 近くリリース予定の次世代OS(QTS4.2)では、スナップショット機能が実装されるほか、高可用性を実現するフェイルオーバー機能(HA)も実装される予定となっている。単なるフェイルオーバー機能のみならず、ライブマイグレーションのような自動化機能が実現する予定だ。さらに、データの使用頻度に応じて自動的に保存先の領域を最適化する自動階層化機能も追加される予定だ。「QNAP製品には、App Centerを通じて、クラウド連携、開発環境、動画や音楽再生など100種類を超えるアプリケーションを無償提供している。無償提供のアプリケーションをTurbo NASにインストールすることにより、必要な機能を簡単かつ柔軟に拡張できる点でも、コストメリットは高い。また、すべてのアプリケーションはQNAPが認定しているので、安心して使用することができる」と鈴木副部長は説明する。

クラウドバックアップに対応
主要サービスをカバー

 法人向けストレージは、確実なデータの保護が求められる。QNAPでは、BCP対策などのニーズに対応するため、レプリケーション機能のみならず、Turbo NASに保存したデータをクラウドサービスにバックアップが可能なアプリケーションとして「Cloud Backup Station」も無償で提供している。鈴木副部長は、「Amazon S3/Glacier、Microsoft Azure、Google Cloud Storageのほか、OpenStackを採用するサーバーベンダー系のクラウドサービスやWebDAVを用いて汎用的に各社のクラウドサービスに対応できる。また、SSL接続とAES 256ビット暗号化によって、ファイル転送中もクラウドへの保存時も、データを安全に保護できる」とメリットを語る。

 昨年2月から日本マイクロソフトの「Microsoft Azure」とQNAP Turbo NASが連携できるようになり、さらに今年の6月からは、フォースメディアと日本マイクロソフト両社協業により「Microsoft Azure」とQNAP Turbo NASのキャンペーンを新たに実施する予定だ。すでに建設業界や医療業界などで採用例が出ているなど、好評という。

「SSP」でSIerを支援
地方の開拓も進める

 フォースメディアは、販売支援施策の一環として、Turbo NASを取り扱うSIer向けに販売支援施策「SSP」を提供している。SSPは、Windows Server 2003のサポート終了に伴うファイルサーバー環境のNASへの移行支援、ストレージシステムの基本導入支援、設置サービス、教育支援という四つのサービスを用意している。また、Windows Server 2003のアクセス権をそのままTurbo NASに移行するツール「QNAP専用アクセス権移行ツール」の提供も開始し、SIerの作業領域をサポートしていく。

 「技術サポートはもちろん、プロモーションサポートにも力を入れる。イベントや展示会を通じて、QNAP製品とフォースメディアの名前も浸透させていきたい。昨年は、30を超える展示会などに参加した。今年は、とくに地方の市場開拓のカギを握っている販売店の方々にQNAP製品を認知していただき、取り扱っていただくために、大都市部だけでなく、地方のイベントなどにも積極的に参加していく」と鈴木副部長は展望を語る。
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外部リンク

フォースメディア=https://www.forcemedia.co.jp/