新しいクラウドDRサービスの「ニフティクラウド DRサービス with VMware vCloud Air Technology」。開発には、ニフティとヴイエムウェアの技術陣による緊密な連携が不可欠だった。そこで、サービスの誕生に深く関わってきた両社の技術者を迎えて、サービスインまでの経緯について、コラボレーションを中心に語ってもらった。サービスの特徴、今後に追加される予定の機能や新たなサービスについても話が及んだ。


協業は「ニフティクラウド」の誕生から

──今回のサービス開始に至った経緯をお聞きしたいのですが、もともとはニフティさんが10年ほど前から社内インフラでVMware製品のユーザーとなり、2010年から「ニフティクラウド」としてVMware製品で構築したインフラをユーザー向けサービス基盤として提供するというのがきっかけだとか。

大久(ヴイエムウェア) 当初、ニフティさんに求められたのは当社製品のドキュメントに書いてあること以上のアイデアや知恵を貸してほしいということでした。ハイパーバイザーを使うIaaSは、どこも似たようなものになります。そこで、どのような工夫をすればプラスアルファができるかについて議論を重ね、いろいろな技能、例えばオートスケールやコンソールの機能などを実現していきました。

ニフティ
浜中慶
クラウド事業部
クラウドインフラ部
部長
浜中(ニフティ) VMware製品の導入は、2006年頃に社内でエンジニアが抱えていた課題を解決するためにハイパーバイザーの活用を検討したことからスタートしました。2010年、それをお客様向けに展開していくということで、ニフティクラウドが誕生したわけですが、いざ外販に向けて複数のハイパーバイザーのベンダー様に声をかけた際、当社が求める機能を実現する方法について、しっかり回答してくれたのがヴイエムウェアさんでした。

五月女(ニフティ) 当時のハイパーバイザーは、クラウドらしい使い方ができないものがほとんどでした。ニフティクラウドは、ヴイエムウェアさんからドキュメントにある以上のアイデアや知恵をいただいて、ともにつくり上げていったという経緯があります。

──今回のサービスは国内初となるVMware vCloud Air のテクノロジーを活用していますが、その開発の経緯を教えてください。

浜中 IaaSの立ち上げから3~4年が経過した段階で、課題として浮かび上がったのが、ニフティクラウドで企業内利用ユーザーを十分に取り込めないということでした。そこで、戦略に据えたのがオンプレミスとクラウドサービスを適材適所で使い分けるハイブリッドクラウドです。具体的には、DR(ディザスタ・リカバリ、災害復旧)がクラウド利用を促進するきっかけになると考えたのです。メインサイトはオンプレミス、有事の際にクラウドを活用するというユースケースの実現性を検討しました。ただ、我々が理想的とするDRサービスがなかなか構築できない。そうしたなかで、ヴイエムウェアさんに提案いただいたのが「vCloud Air」でした。vCloud Airで用いているテクノロジーをベースに新しいDRサービスをつくることを目的に、2014年末から共同開発がスタートしたのです。

五月女 ちょうど、当社がDRサービスを検討している最中にヴイエムウェアさんからvCloud AirでDRサービスの提供を開始するという発表があったので、「それ、ください!」と言った記憶があります。当時、ヴイエムウェアさんはベンダーやパートナーに対してテクノロジーのみの提供を行っていなかったので、いま考えると無茶な要求だったかもしれませんね(笑)。

ヴイエムウェア
福本薫
vCloud Air Network
シニアテクニカルアドバイザー
福本(ヴイエムウェア) 発表とは別に、パートナー様向けにパッケージ化する作業があって、どうしてもタイムラグが生じました。その時点では、資料も揃っておらず、日本語化もされていませんでした。他のプロバイダさんであれば、そうした状況での自社サービス化を躊躇すると思います。ところが、ニフティさんはサービス化に向けて、いち早く取り組まれた。結果、国内で初めてDRサービス化を実現したのです。ニフティさんに高い技術力やノウハウがあったことも早期のサービス化を実現した要因といえます。

大久 DRについてニフティさんは、「ぜひ実現したい」という強い要望を以前からもっておられました。当時は、公開できない情報ばかり。それでも、ニフティさんは米国本社に何度も足を運んで、APIの公開などについて直談判されました。最終的にすべてのリクエストには応えられませんでしたが、熱意がひしひしと伝わって、当社もぜひ協力したいと感じました。

──2014年末の開発スタートから4月のサービス開始と、かなり短期間で実現されていますが、実際の作業はどう進めたのですか。

福本 ニフティさんと米国本社を含めて、当社が緊密にコラボレーションできたことが短期間でのサービスが実現できた最大の理由だと捉えています。

浜中 週1回のペースで米国を含めたウェブ会議でダイレクトにコミュニケーションをとって、一つひとつ課題を詰めていきました。マニュアルは未完成な部分が多く、行間を読むようにして試行錯誤を繰り返すなど、まさに泥臭い作業の積み重ねでした。

五月女 当社のオリジナリティを、どうやって実現するかがポイントでしたので、それをヴイエムウェアさんに協力していただけたことが大きかったですね。

浜中 ニフティクラウドは国内に4000件以上のお客様を抱えていますが、お客様のそれぞれ異なるDRに対するニーズに応えようと考えていたので、ドキュメントがないなかにあって、当時はかなりカオス状態でしたね。

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