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NEC 世界最高水準の技術「顔認証システム導入セット」 NECが切り開く顔認証技術の新たな市場

2016/09/15 19:55

週刊BCN 2016年09月12日vol.1644掲載

 NECは、顔認証ソフトウェアがプリインストール済みのサーバーを中心に構成した「顔認証システム導入セット」を2月から販売している。これは、世界ナンバーワンのスピードと精度※を誇るNECの顔認証技術を、100万円台からという低価格で手軽かつ迅速に導入することができるソリューションだ。NECでは、この顔認証システム導入セットを軸にさまざまな業種・業界のユーザーや幅広いパートナーの協力を得ながら、顔認証技術の用途拡大を進めていこうとしている。

世界一の高精度・高速な顔認証技術を容易に導入できるソリューション

パートナーズ
プラットフォーム事業部
エキスパート
青野雅明氏

 NECの顔認証技術は、米国政府機関主催のコンテストでトップ評価を獲得するなど、世界ナンバーワンのスピードと精度を誇っている。この技術は、顔認証エンジン「NeoFace」を採用したソフトウェアとして展開されており、国内では地方自治体のマイナンバー関連システムにおける二要素認証ログインなどで採用が進んでいるほか、世界70か国以上で、警察や司法機関、入国管理局からアミューズメント施設まで、幅広く活用が広がっている。

 顔認証システム導入セットは、この顔認証ソフトウェアをプリインストールした「Express5800シリーズ」スリム型PCサーバーをベースに、各種オプション製品やシステム設定・保守サービスも用意したソリューションとして、価格が110万円(税別)からという低価格で提供するものだ。

 「顔認証技術は、大規模な利用例ばかりが注目されており、SMB市場では馴染みの薄い技術と思われがちだが、実はユーザー次第でさまざまな使い方が可能な技術。裾野を広げるために、スモールスタートに適した導入セットを商品化した。導入時にカスタマイズが必要な部分は最低限となっており、パートナーにとっても取り扱っていただきやすい。パートナーには、顔認証システム導入セットと合わせて監視カメラシステムや入退場管理システムといった付加価値を付けていただける」とパートナーズプラットフォーム事業部エキスパートの青野雅明氏は説明する。
 

 

セキュリティからおもてなしまで顔認証の活用はユーザー次第

 NECでは、顔認証システム導入セットの代表的なユースケースとして、「入退室管理」「防犯」「サービス向上」などを挙げている。

 まず、入退室管理ではカメラと電子錠ドアを組み合わせ、登録された人物のみロックを解除する仕組みで、セキュリティと利便性の両立を高度なレベルで実現する。高精度な顔認証で一人ひとりを特定するため、ICカードなどとは違って「なりすまし」や「共連れ」の抑止にも最適だ。

 「他社の技術では顔認証を実行するために、立ち止まらないといけないものもあるが、当社の高速・高精度の認証技術なら、その必要はなくウォークスルーで通過することが可能だ。また、指紋や静脈など他の生体認証技術と違ってハンズフリーで認証するため、衛生面の懸念が生じる食品関連の事業所などでも使いやすい。認証ログは画像つきで保存されるので、いつ誰が出入りしたかを後から確認することも容易」と青野氏はアピールする。

 防犯の用途としては、例えば過去に万引きや迷惑行為などを行った要注意人物を登録しておき、その人物が来店すると同時に店舗スタッフへアラートを通知し、声かけなどによって再発を抑止する使い方が考えられている。

 逆に、得意客の来店を通知するようにすれば、より高度な「おもてなし」への活用が可能だ。ホテルやゴルフ場など、得意客に対するサービスの差異化で付加価値を提供することができる。もちろん、顔画像は個人情報に相当するため、防犯目的を除けば当人の承認が必須となるが、こうした「おもてなし」のための目的であれば顧客の承認は得やすいだろう。

パートナーズ
プラットフォーム事業部
神田紗里氏


 「当社は、セキュリティ関連の展示会などにも出展しており、導入のしやすさや新しさを評価していただいている。このセットにより、これまでつき合いのなかったパートナーからもお声がけをいただき、またパートナーからは、われわれが考えてもいなかった用途のアイデアを数多くいただいている。より幅広いパートナーやユーザーの方に知ってもらい、顔認証技術のさまざまな活用方法を一緒に考えていきたい」とパートナーズプラットフォーム事業部の神田紗里氏は顔認証技術の新たな市場展開に期待を寄せる。

※米国政府機関主催のコンテストでトップ評価を獲得
http://jpn.nec.com/biometrics/face/technology/world.html
 
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外部リンク

NEC=http://www.nec.co.jp/