NEC(新野隆社長兼CEO)と産業技術総合研究所(産総研、中鉢良治理事長)は4月5日、産総研人工知能研究センター内に「産総研ーNEC人工知能連携研究室」を6月1日付で設立すると発表した。両者の相互連携によって人工知能(AI)の研究開発を加速させるもので、産総研としては企業の名称を冠した初めての連携研究室の設置となる。

 「産総研ーNEC人工知能連携研究室」では、まずは産総研が強みとするコンピュータ上でのシミュレーション技術を活用することで、「AIが効率的に学習できる」(NECの中央研究所を担当する西原基夫執行役員)仕組みの確立を進める。社会インフラをAIで制御するにあたって、例えば大規模災害や、まれに起こる異常事態は、過去のデータを集めることが難しく、AIの学習効果を高めにくい課題があった。

写真左からNECの西原基夫執行役員、産総研ーNEC人工知能連携研究室の鷲尾隆室長、
産総研の辻井潤一・人工知能研究センター長、産総研の関口智嗣・領域長

 また、実世界のシステムを模してシミュレーションすることで、未知の事象に対しても対処可能な自動推論技術や、複数のAIが協調して挙動するような「全体として正しく機能する」(産総研ーNEC人工知能連携研究室の鷲尾隆室長=大阪大学教授)ような研究テーマにも取り組む。

 産総研では、年間1億円以上、かつ3年以上継続して研究資金を負担したり、産総研職員の人件費の一部を充当してもらえる民間のパートナー企業に対して、パートナー企業の名前を冠した組織名称にする制度を始めている。今回の「産総研ーNEC人工知能連携研究室は、この制度に沿って設置した」(産総研の関口智嗣・情報・人間工学領域長)と話している。