Special Issue

日本マイクロソフト 「AI活用」で進化する働き方変革実践事例

2018/02/15 09:00

週刊BCN 2018年02月12日vol.1714掲載

取り組む目的は生き残るため

 基調講演では、日本マイクロソフトの小柳津篤・マイクロソフトテクノロジーセンター エグゼクティブアドバイザーが登壇し、「『AI活用』で進化する働き方変革実践事例」と題して、同社の働き方に関する取り組みを、実例を交えて紹介した。小柳津エグゼクティブアドバイザーは、テレワーク関係4省(総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省)によって設立された「テレワーク推進フォーラム」の主唱で行われるテレワーク普及推進施策の一つ「テレワーク月間」で実行副委員長を務める。

小柳津 篤
マイクロソフトテクノロジーセンター
エグゼクティブアドバイザー

 マイクロソフト自身の働き方改革は、2002年に小柳津エグゼクティブアドバイザーの所属部署で経営品質活動を始めたことが源流で、「大きな転機は、11年の品川オフィスへの移転だった」と振り返る。働き方変革を全社を挙げてやると宣言、いつでも、どこでも、誰とでもストレスなく交流できる環境を整え、生産性向上に向けた改革を本格化させた。

 加えて、モバイルワークと同時に、Face to Faceで人と関わることの重要性も説いた。移転直後に東日本大震災が発生したが、改革は災害時の事業継続にも有効だとわかり、テレワークのツールを活用する文化が社内に浸透していったという。こうした「試行錯誤で積み上げてきたノウハウは顧客への提案にも生きている」と、実践・実証されたリアリティのあるソリューションの強みを語った。

 小柳津エグゼクティブアドバイザーが強調するのは、「働き方改革は大ブームだが、労働時間の削減などは本来働き方改革の手段であって、目的ではない」ということ。「われわれが何のために働き方改革を推進したかというと、答えはシンプルで、生き残るため。一部のメンバーを救うための取り組みは決して成功しない。やるなら全体最適を目指さなければならない。その結果、生産性が向上して社員が働きやすくなる。業務効率化で働きやすくなると社員の満足度が高まり、改革が継続して自然といい循環ができる」という。

 マイクロソフトはこの取り組みで、事業生産性が26%、ワークライフバランス満足度が40%、働きがいのある会社というロイヤリティが7%向上し、社員の満足度も高まった。

 最後に小柳津エグゼクティブアドバイザーは、「働き方改革は、将来的に優秀な人材を確保することにもつながる重要な取り組みである。そうした状況のなかで、働き方改革が業界全体でビジネスチャンスになっている」と訴え、講演を締めくくった。
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