Special Issue

SIerの作業負荷を大幅に軽減するサーバー設定仕様書自動生成サービス「SSD-assistance」

2019/11/05 09:00

 SIerが顧客先にサーバーを納品する際に欠かせない作業の一つが、サーバーごとの設定仕様書の作成だ。しかし、その作成には多くの工数がかかるため負担になるだけでなく、担当する技術者の知識レベルやスキルに左右されることから標準化されず、後々トラブル原因にもなりうる。セイ・テクノロジーズの「SSD-assistance」は、わずか3ステップでサーバー設定仕様書を自動で作成するサービスで、SIerの作業負荷を大幅に軽減することができる。

吉岡俊郎
取締役営業本部長

サーバーの設定仕様書を自動で生成

 サーバー設定仕様書は、顧客が納品されたサーバーの検収に欠かせない納品物の一つであるだけでなく、ハードウェア、OS、アプリケーションなどの構成情報を把握し、システム保守をはじめ、社内での情報共有、担当者の引き継ぎ、担当者不在時の対応をサポートする重要なドキュメントになる。

 仕様書を作成するSIerにとっても、提供するサービスの品質を担保し、システムの更新・改修時における情報収集に大きな役割を果たしてくれる重要な存在だ。しかし、現実は仕様書が標準化されておらず、保守の参考にならなかったり、作成時から更新されていないため現状が把握できなかったりといった事態になることも多い。

 「設定仕様書の内容は担当する技術者のレベルに影響される。実際、必要時に確認すると、仕様書の値が実際の設定と異なっていることも少なくない。中には、別のサーバーのものを使いまわしていたといったケースすら見受けられる。言い換えれば、それだけ作成作業が大きな負担になっている証拠でもある。こうした作業を自動化できれば、作業負荷を大きく削減するとともに、人為的なミスを排除することにもつながる」と吉岡俊郎・取締役営業本部長は指摘する。

 セイ・テクノロジーズは、サーバー監視ソフト「BOM for Windows」やジョブ管理ツール「Job Director」を提供するサーバー管理ソリューションのスペシャリストだ。昨年8月に開始したサーバー設定仕様書自動生成サービス「SSD-assistance」は、同社の高い技術力と豊富なノウハウがベースとなっている。

 「数多くのSIerの方々からヒアリングをした内容を受けて、正式にメニュー化するときに決めたのは、SIerの担当エンジニアの工数をできるだけ削減すること。そのため設定仕様書の作成をできるだけ簡易におこなえるように工夫している」と吉岡本部長。
 
「SSD-assistance」の仕組み

わずか3ステップ、30分ほどで仕様書の作成が完了

 SSD-assistanceは、構築したシステムから各種情報を収集するための軽量なツールと、収集した情報からサーバー設定仕様書を作成するオンラインサービスで構成する。具体的な手順は以下のわずか3ステップだ。

(1)サーバー情報採取ツールを専用サイトからダウンロードしてツールを実行し、サーバーの情報を収集
(2)収集ファイルを専用サイトにアップロード
(3)生成された仕様書を受領

 生成される仕様書は、WindowsのUIを意識した可読性の高い「標準デザイン」のほか、設定情報を一覧できる形で出力した「パラメータデザイン」、二つのサーバー情報を時系列に並べて相違点を色分けして分かりやすく表示した「比較差分デザイン」を用意する。ファイルはExcel形式のため、SIerは顧客の要望に応じて自由に編集することができる。
 
生成される仕様書

 「システム環境によって多少の前後はあるが、情報収集ツールの実行からデータのアップロード、仕様書の受領まで30分以内で完了することができる。作業時間は少なく見積もっても、40%の削減が可能だ」と吉岡本部長はメリットを強調する。

 サービスは年間契約の月額プランと、必要時だけ利用することを想定したチケットプランがある。なお、チケットプランの場合は、収集ファイルの受付から仕様書の生成まで1営業日を要する。無償の評価版が用意されているので、事前にしっかり効果を確認することができる。
 
「SSD-assistance」のメリットを話す吉岡本部長

SIerのニーズに合わせてオンプレ版も提供

 「SSD-assistanceのサービス開始からトライアルを含めて、約30社に採用されている。本サービスの説明をするとSIerの方々は、本当に多くの要望を持っている分野なのだと感じる」と吉岡本部長。

 これまでは専用サイトにサーバーの情報をアッロードするクラウド型サービスでの提供のみだった。収集ファイルはZIPファイルでSHA256で暗号化しているが、顧客のポリシーでサーバー情報を外部に出すことができないケースにも対応するため、今年9月よりオンプレミス版のサービス提供も開始した。

 「サービスは3カ月に1回のペースでアップデートしており、多くの皆さんからヒアリングを行いながら、対応する環境や取得可能な情報を充実させていく。今後、クラウドへの移行、Windows 10への移行に合わせてシステム更新のニーズが高まっていくと考えられるが、SIerの方々にはSSD-assistanceを活用することで、より生産的な業務に注力してもらいたい。ただ、SIer支援のために特化したサービスなのでホームページにあえてほとんど情報を公開していない。まずは、問い合わせをしてほしい」と吉岡本部長はアピールする。
 
SSD-assistance サーバー設定仕様書に関するアンケート
https://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_ssd
  • 1

関連記事

Arcserveとセイ・テクノロジーズ、バックアップ運用を合理化する連携キット

ネットワールド、三信ネットワークがサーバー運用監視に「BOM」を採用

ウェブエックス・コミュニケーションズ・ジャパン 販売パートナー網拡充へ ウェブ会議システム販売加速

セイ・テクノロジーズ 取締役製品戦略部長 Vice President 養老利紀

外部リンク

セイ・テクノロジーズ=http://www.say-tech.co.jp/

「SSD-assistance」=https://www.say-tech.co.jp/contact/ssda.shtml