在宅勤務やSaaS型オフィススイート利用の拡大によって、構成の複雑度が高まる一方のネットワーク――。ネットワーク障害によるユーザーへの影響を最小限にするには、障害原因と発生箇所を素早く特定する必要がある。そのためのベストツールとなるのが、ソーラーウインズ・ジャパンが販売しているNetwork Performance MonitorのNetPath機能。SaaSへのネットワーク経路を自動描画することに加え、各ホップでのループ、パケット損失、遅延を可視化できる。さらには、過去の障害を調査するための履歴機能も備わっている。

SaaS利用と在宅勤務の拡大とともに障害の原因究明の難易度が高まる

 「日本ではSaaS型オフィススイートと在宅勤務の利用が同時期にピークに達したため、SaaSに関するユーザーのクレームが多発している」と警鐘を鳴らすのは、IT管理ソフトウェアで知られるソーラーウインズ・ジャパンの脇本亜紀社長だ。
 
脇本亜紀
社長

 例えば、SaaSをテレワークで利用する際の「ネットワークの複雑化」。リージョナルテクニカルマネージャーを務める山田晃嗣氏は「社内の既存ネットワーク、インターネットサービスプロバイダー(ISP)の回線、クラウドの3領域にまたがり、VPN、プロキシー、ファイアウォールなどの多様なデバイスが関係してくるので、構成が非常に複雑になる」と指摘する。
 
山田晃嗣
リージョナルテクニカルマネージャー

 また、そうした複雑さの結果として、障害の原因を突き止めるのに手間がかかる。ユーザーから「SaaSの応答が遅い」とクレームがあった場合、社内ネットワーク、ISP回線、クラウドのすべてを調べなければならないからだ。あまりにも時間がかかるので、調べている最中にSaaSが“自然復旧”してしまうことも珍しくない。

 さらに、障害の原因を後日ゆっくり調べて改善策を練るのも難しい。ほとんどのIT管理ツールはその瞬間の状態しか可視化してくれないし、大量のログから障害に至る因果関係を手作業で突き止めるのは事実上不可能だからだ。場合によっては、“証拠”が手に入らないためにサービスレベル契約(SLA)に基づくSaaS事業者への補償要求が不能になってしまうことも考えられる。

経路とホップの問題を自動で調査、過去の障害についても調べられる

 「このような悩みを抱える企業のシステム管理者には、当社のSolarWinds Network Performance Monitor(NPM)に搭載されているNetPath機能の利用をお勧めする」と山田氏。「NetPathを使えばネットワーク構成の現在および過去の状況を見やすく可視化でき、障害の根本原因を素早く特定できる」とアピールする。

 最も役立つのは、ネットワーク構成の可視化機能だ。準備作業は、監視対象となるPCやサーバーにNetPathのプローブを組み込み、SaaSや対象アプリケーションのアドレス(URL)と使用するTCPポートを指定するだけ。すると、そのプローブからSaaS/アプリケーションへの経路とホップ(中継ノード)がNPMの監視コンソール上に表示される仕組みだ。

 最大の特徴は、TCPパケットが到達できる範囲であればISP回線やクラウドの内部も調査できること(社内ネットワークについてはSNMPも併用可)。ロードバランサーやダイナミックルーティングによって経路が多重化されている場合は、そのすべてを自動的に探索してくれる。

 こうして可視化されたネットワーク構成のうち、問題が発生している経路やホップは重大度に応じて黄(中程度)または赤(重度)で表示される。NetPathが問題と判定するのは「ループ」「閾値以上のパケット損失」「閾値以上の遅延」の三つのケース。重大な障害によって到達不能になっているネットワーク経路は灰色の破線で示される。

 さらに、監視コンソールの下部に表示されているタイムヒストリー(履歴情報)を左右にスライドさせると、過去に発生した障害についての情報も取得できる。赤または黄で表示されている「■」をクリックすると、監視コンソールの上部にその時点でのネットワーク経路とホップの情報が出現。過去の障害についても、現状に対するのと同じ方法で調査・対処できるわけだ。履歴として記録されるのは、既定では30日分の情報。山田氏は「NPMの管理データベースの容量をたっぷりと確保しておけば、数万、数十万の顧客を持つマネージドサービスプロバイダー(MSP)でも利用できる」と付け加える。
 

IT管理統合基盤「Orion」の上でNPMを含む多様な機能が動作する

 このような特徴をもつNetPath機能を利用するには、オンプレミスのWindows Server機にSolarWindsのOrionプラットフォームをインストールし、その上で動作するコンポーネントの一つとしてNPMを組み込めばいい。Orionプラットフォームでは、ネットワークの性能分析だけでなく、ネットワークトラフィック分析やWebの性能監視、アプリケーションやシステム、仮想環境の監視やデータベースの性能監視まで幅広く対応しており、必要に応じて追加・変更が容易にできるよう設計されている。IT管理のための統合基盤として力を発揮することだろう。

 SolarWinds製品の商流は、ディストリビューターから、リセラー、ユーザー企業/MSPという一般的なもの。ソーラーウインズ・ジャパンは、さまざまな技術文書や教育用動画をインターネットに無料公開しているので、IT管理分野の経験が少ないリセラーでも販売するのは容易だろう。その他の販売支援コンテンツとして、Orionの無料デモサイトやコミュニティーサイト「THWACK」もインターネット上に用意されている。

 「当社のOrionプラットフォームが目指すのは、アラートが上がった段階で根本原因をユーザーに提示すること。そのための具体的な仕組みとしてNetPath機能がある」と脇本社長。マルチクラウド、SaaS型オフィススイート、在宅勤務に振り回されているシステム管理者にとって、NPMとNetPathは欠くことのできない運用管理ツールとなることだろう。

 
ネットワーク監視製品のご利用(ご提案)状況に関してのアンケート
https://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_swinds