UPSソリューションズ(UPSS)の電源管理に特化した統合監視ソフトウェア「Integ Monitor」が好評だ。UPSSの保守サービスに含まれており、業界初のマルチベンダー製品としてUPSS製UPSやシャットダウンボックスのほか、メジャーな全てのメーカーのUPSに対応。操作性に優れ、トラブル時の初動対応を大幅軽減する機能を備える。今後、UPSSでは対応製品の拡大とともに、ビルの法定停電などに対応した「止めないサービス」への適応を進めていく考えだ。

電源のサイロ化に対応 システム管理者の負荷を軽減

 UPSSは、UPSメーカーであるとともにITシステムの安全なシャットダウン、自動起動、安定した電源供給に特化した電源のSIerとして国内外のUPS製品を取り扱い、ソリューションとして提供してきた。Integ Monitorには、そのノウハウと技術が投入されている。
 

 最大の特徴は、業界初のマルチベンダー対応だ。サーバーやストレージと異なり、UPSはユーザーが製品を選定することはほとんどなく、サーバー導入やシステム構築を担当するSIerが選定するケースが大半を占める。

 「ユーザーは知らず知らずのうちに、さまざまなメーカーのUPSを使用している。システム構築を担当するSIerが扱っていない製品やシステムに連携しないUPSは選択できない。そのため、UPSについてはユーザー側に選択肢が少なく、結果として電源がサイロ化している」と川本崇司社長は課題を指摘する。
 
川本崇司 社長

 各UPSメーカーは独自に管理ツールを用意しているが、その対象は自社製品に限られる。そのため複数メーカーのUPSが混在すると、各ツールでの管理が必要で、操作の習得を含めてシステム管理者の負担になる。

 Integ Monitorは、システム管理者の負荷軽減を目的に開発されたツール。UPSSの保守サービスに含まれているため、UPSSのオンサイト保守に加入すると、10ライセンス(監視対象10台)まで付与される。必要に応じてライセンスを追加購入でき、最大300台までのUPSの監視が可能だ。特に、操作性に強くこだわり、マニュアルレスをコンセプトとした分かりやすいUIにより、直感的な操作ができる。UPSの一括監視をはじめ、UPS情報の収集では、基本情報、バッテリの状態や寿命情報の監視、アラーム監視、イベント監視、UPSステータス情報を確認できる。複数のUPS製品をグループ化して管理することもでき、各種状態はアイコン表示によりひと目で把握できるように工夫されている。

 「2020年9月のリリース以来、これまで日本を代表する200社以上の企業および官公庁などに導入実績がある。最近ではまずスモールスタートで導入して効果の確認後に対象を拡大するケースも増えている。最大では80台のUPSを監視するユーザーもいる」と川本社長は語る。

統合化した電源監視でビジネスの空白を防止

 UPSで特にトラブルになりやすいのがバッテリだ。保守サービスの契約がないと、実際にトラブルか発生してから気付くことがほとんどだという。

 「お客様先でUPSのアラートランプが点滅したまま、気付かれずに放置されているケースを見かけることも珍しいことではない。そうなると停電などの本当に必要な時に、せっかく導入したUPSが機能せず、システム障害に発展することもある」と川本社長。

 コロナ禍以降、テレワークが当たり前のようになり、クラウドサービス利用の拡大で、システム部門の担当者もリモートでの管理対応が増えた。必ずしも社内に常駐しているとは限らない。

 そうした中で、突発的な停電が発生してUPSが機能しなければ、安全なシャットダウンができず、システム全体のトラブルに発展する。その結果、業務継続にも大きな影響を及ぼすことになりかねない。

 一方、UPS管理ツールは普段、システム担当者もほとんど触れることがない。それだけに、管理画面を見てもすぐに状況を把握できるわけではない。トラブル時になって初めてマニュアルを引っ張り出し、対応を考えるなどということになる。

 そうした状況を想定し、Integ Monitorでは、前述のUPS情報の収集から、障害検知、通知、保守対応まで幅広くカバーする。UPSに異常が発生している場合、イベントログとして、異常の内容や受信したトラップを表示してくれる。

 「当社に問い合わせをする際も、問い合わせメールの作成・送信までに必要な工程は、プルダウンメニューから選ぶだけでのワンクリックで済む。サポートで必要なUPSのログ情報は自動収集してメールに添付するため、問い合わせフローと所要時間を圧倒的に軽減することができる」としている。

 Integ Monitorは、UPSS製UPSの保守サービスを含めた提供形態と、SIerやサポート企業向けにソフトウェアのみの提供という2形態を用意する。Integ Monitorがあれば、SIerは電源管理で現場に駆け付けることなくマルチベンダー保守が実現できるなど、メリットは大きい。

 今後の展開について川本社長は、大きく二つの施策を挙げる。

 一つめは対象となる電源関連の機器の拡大だ。システム管理者のリモートワークを見据えた遠隔確認可能な電源システムを構築し、「停電時にサーバー、ストレージを安全にシャットダウンさせ、停電が復旧した際のシステムの自動起動を実現する、シャットダウンボックスやPDU。これら電源システム全体を監視対象に取り込みたい」という。

 もう一つが、オフィスビルの電気設備点検に伴う法定停電などへの対応だ。オフィスで24時間稼働しているサーバーなどは、事前にきちんと準備をしないとシステム障害や故障などの不具合につながる。それだけにシステム管理者の多くは、停電終了後にシステムを立ち上げ直す際に、業務開始までに本当に問題なく立ち上げられるのか不安を抱えているという事情がある。

 川本社長は、「当社は『止めないサービス』として、シャットダウン技術と並行して、移動電源車のスポット提供など電源供給ソリューションを提案している。Integ Monitorの今後の展開により、事前に必要な電源の供給量をアセスメントしておくことで、電源車のサービスの検討、導入をスムーズに提供できるようにする」と力を込める。