i-PROのセッション「AI監視カメラシステムを用いたDX活用事例と将来展開」では、横光澄男・ディレクター(セキュリティジャパン・事業戦略)が同社の提唱する“映像DX”の活用事例と将来展望について詳しく語った。
i-PRO
セキュリティジャパン事業戦略ディレクター
横光澄男氏
言葉としては一つであるDXにも、業種や業務によってさまざまな切り口が存在する。その切り口のひとつとして、パナソニックのセキュリティー事業から独立して2019年に誕生したi-PROが提供しているのは、AIカメラを核とする監視システムによってさまざまな業務を変革する映像DXだ。
例えば、物流業界では施設管理工数や労働災害の増加を食い止めるのに映像DXが活躍する。横光ディレクターは「物流業では施設の大規模化と拠点数の増加に伴って管理工数が増加し、人手不足に起因する労働災害も多発している」と述べて、ドライバー不足、荷待ち時間や荷役作業の短縮も喫緊の課題になっていると説明した。
介護業界では利用者の増加と介護人材の不足が同時並行で進行中。少ない人材で多くの利用者に十分なサービスを提供するには、介護施設での作業負荷を大幅に軽減できる仕組みが必要だ。
このようなニーズに応えるのが、映像DXの「記録」「遠隔操作」「予知」の三つの機能である。記録機能を利用すれば、倉庫などの特定区域に侵入した人を自動的に撮影してエビデンスを確保することが可能。居室が多い介護施設や大規模な物流施設でも、遠隔操作機能を活用すれば監視担当者は最低限で済む。予知機能は、倉庫内での人と搬送機器の衝突や物体落下事故を避けるための切り札となる。
同社の映像DXソリューション「i-PRO」の直近の事例としては、大阪関西万博のシグネチャーパビリオン「Null2」がある。「来場者の動きが滞ったときのスタッフの動作を確認して運営の改善に役立てることができた、と聞いている」と、横光ディレクター。このほか、物流センター、工場、介護施設などでも「見回り業務の効率化」「フォークリフトの安全運転」「ヒヤリハットの可視化」「荷待ち管理の自動化」などの実績がある。
i-PROには安心・安全の入念な対策が施されている。安心については、介護施設での使用に備えて、顔や全身の画像にモザイクをかけるプライバシー保護機能を装備。安全対策では、福祉用具としてのTAISコード(公益財団法人テクノエイド協会)や介護・生活支援ロボット認証(かながわ福祉サービス振興会)、ISO/IEC 42001(AIマネジメントシステム)、JC-STAR★1適合ラベル(セキュリティ)などを取得済みだ。
「弊社は提案から機器手配、設置工事、設定までのすべてに対応できる」と、横光ディレクター。各業界の課題解決に日本メーカーとして長年培った映像センシング技術を役立てたいと述べた。