6月3日のセッション3では、SB C&SのICT事業本部技術本部技術統括部第2技術部3課の佐藤梨花氏が「ポイントを解説!Microsoft Copilot Studio」と題して講演。AI導入時に企業が抱える専門知識の不足、セキュリティーへの不安、既存資産の活用といった悩みに焦点を当て、「Microsoft Copilot Studio」の有用性と実践的な活用法を解説した。
SB C&S ICT事業本部
技術本部 技術統括部 第2技術部 3課
佐藤 梨花 氏
佐藤氏はまず、Copilot Studioを「自分専用のCopilot、つまりAIアシスタントを作れるツール」と表現した。最大の特徴は、プログラミングの知識を持たないユーザーでも、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で、自社の業務プロセスに沿ったAIチャットボットを構築できる点にある。さらに「Teams」をはじめとしたMicrosoft 365製品とのシームレスな連携や、既存の業務シナリオに応じたテンプレートの豊富さ、「Salesforce」といった外部サービスとのデータ接続機能など、企業が既存資産を生かしながらAIを組み込める強みを紹介した。
導入のメリットについて佐藤氏は、ITに詳しくなくても業務に沿ってカスタマイズしたAIチャットボットが作成できること、エンタープライズ利用で大事なセキュリティーの安心感を挙げ、「Azure」の堅牢なセキュリティー環境下で安全に運用できる点を強調した。一方で、決して万能ではなく、枠組みを超えた高度なカスタマイズには専門知識が必要なこと、利用規模によりライセンス費用が発生するデメリットも指摘し、自動会話、高度なデータ分析、非マイクロソフト環境での利用には不向きであるとした。
具体的なユースケースとして、社内PDFを読み込ませたFAQボットの作成や「Power Automate」との連携により、問い合わせメール受信時にTeamsへ自動で回答案を投稿するというケースの実装方法とデモを披露した。佐藤氏は、これらの導入にあたり「まずはシンプルに小さく始めて、拡張が必要になったり、社内での需要が拡大してきた場合に、IT部門やSIerとの連携を検討したりするのがベストプラクティス」と、スモールスタートの重要性を説いた。
また、利用時の注意点として、つくって終わりではなく、継続的な運用保守にも費用がかかると述べ、FAQの定期的な見直しや運用ルールの策定、ナレッジの鮮度管理の必要性を訴えた。加えて、公開範囲やアクセス権限の設定を誤ると重大な情報漏えいにつながるリスクにも触れ、安全な運用体制の構築が不可欠であることを強調した。
最後に、プレビュー機能として最新の「Copilot Co-work」を紹介した。「これはユーザーの承認を受けながら自律的に作業を進める作業パートナーになる。チャット画面から自然言語のプロンプトのみで、関係者の空き時間を探して、Teams会議を設定するプロセスの自動化も実現できる」と説明した。