2011年度上期、SAPジャパンの売上高は前年同期比24%増の2億9300万ユーロ(IFRSベース)だった。インメモリデータベースをはじめ、クラウドサービスやモビリティなどの新分野が著しく伸びた。この勢いをかって、安斎富太郎・新社長はパートナー企業とともに新規事業を大きく育てていく。
パートナービジネスへのてこ入れを図る
――2011年度上期(1~6月)は間接販売が前年同期比で1.5倍に増え、パートナー満足度も8ポイント上昇しました。下半期もパートナービジネスを強化されることを明らかにされています。そこで、パートナー戦略についておたずねします。
安斎 まず、約230社存在するパートナーのうち、有力なパートナーと共同で年初にビジネスプランを立てました。場合によっては、現場の営業部隊を入れてプランをシェアしました。これは、年末にもやろうとしています。二つ目として、好業績に貢献しているERPパッケージ以外の新技術に対する研修や勉強会をパートナー向けにかなりの回数実施しました。インメモリデータベースソフト「SAP HANA」に関する研修では、約600人に参加してもらいました。三つ目としては、SAPの資格取得者数が停滞しているパートナーに対し、資格を取ることでビジネスを伸ばす方法や有資格者を増やすためのサポートを開始しました。
社内的には営業の評価制度を変え、パートナー経由か営業担当者かを問わずに、営業の売り上げとするようにしました。これで営業のメンタリティを上げてきました。パートナー満足度の向上にもつながっているでしょう。SAPが本気でパートナーとともにビジネスを展開しようとしているということが伝わったのではないかとみています。
すでに、売り上げが増えているパートナーは確実に存在しますし、有資格者数もトータルで増えています。この間、あるベンダー同士が合併するケースでは、どちらもパートナーである一方で、SAPビジネスへの取り組みに差がありました。今後は全社で展開していくにあたって、事前に目標を設定してこれを達成できるように、当社の営業部隊と連携していただくようにしていきます。
――今期、海外事業を展開するパートナー企業を支援する「SAP Partner Globalization Program」を開始されました。ただ、パートナー企業からは「やるのが遅すぎた」という声も聞きます。
安斎 「やっとか」という感じですね。SAPに入社して感じたのは、パートナー重視と口では言っているけれども、からだは動いていないという面があるということでした。ここにきて、からだも動き出しました。確かに遅いかもしれませんが、動き出したことについては評価していただいているのではないかと思います。
――重点分野とされている「HANA」は、諸外国に比べて日本市場での受けがとくにいいそうですね。
安斎 ついこの間、大手流通業のお客様と顧客データの処理に関する話題で、「HANA」が挙がりました。お客様の関心が高くて、「こんなことはできないのか」と聞かれることが多くあります。
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