システムインテグレータ(SIer)の岩手情報システム(盛岡市、小原康司社長)は、産学連携を通じた新商品の開発に力を入れる。すでに商品化した“議論支援システム”を地理情報システム(GIS)と連動させ、自治体などに販売する。同社の主力であるソフト開発分野の約半分は元請けからの請け負い開発が占めているため、粗利率が高いオリジナル商材によるビジネスを拡大することで収益力の強化を目指す。

 オリジナル商材の議論支援システム「CRANES(クレインズ)」は、不特定多数の意見を分析・集約して可視化するソフトウェアで、東京大学大学院工学系研究科社会基盤工学専攻の堀田昌英助教授グループの研究テーマを、システム開発のヴィヴィドワークス(一條渉社長)と共同で2003年に開発。公共団体などが市民の多種多様な意見を分析し、賛成や反対の度合い、注目状況などを数値化して分かりやすく集約する用途などを中心に、これまで数団体に納入した実績がある。

 今後は、クレインズとGISを連携させたシステムの開発や、株主や消費者の意見を分析・集約するシステムなどに応用する。2-3年内に20ユーザーへの販売を目指す。GISとの連携は年内にも実現する見通しで、自治体などを販売ターゲットにする。また、民間企業がウェブ上で開示した経営方針や新商品の情報に対して、株主や消費者から寄せられる意見を分析・集約するシステムにも応用することで「民需開拓にも結びつける」(伊藤由記夫常務取締役)方針。

 同社の売上高の約7割を占める主力のソフト開発事業では、請け負い開発が約半分を占めており、オリジナル商材による新規顧客の開拓が課題となっていた。

 これを打開するために00年頃から産学連携に力を入れ、現在は東京大学だけでなく、地元の岩手県立大学と共同で医療用画像データの解析ソフトウェアの開発なども進めている。こうした連携を強化していくことでオリジナル商材の開発スピードを高め、事業拡大に結びつけていく考えだ。