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兼松エレクトロニクス 中国・成都に現地法人を設立

2010/07/29 10:13

週刊BCN 2010年07月26日vol.1343掲載

 兼松グループの商社系システムインテグレータ(SIer)である兼松エレクトロニクス(KEL、榎本秀貴社長)は、中国・成都に現地法人を2010年12月に設立する。中期経営計画(2011年3月期~2013年3月期)では、グローバル市場への参入を重点施策の一つに掲げており、国内製造業の進出が目立つ中国市場の開拓を緒に事業拡大を目指す。

現地採用の中国人をフル活用

渡辺亮本部長
 兼松エレクトロニクスが中国・成都に設立する現地法人は、資本金300万米ドルで、オフショア開発拠点の位置づけ。主に日系製造業の半導体設計の受託ビジネスなどを手がける計画だ。渡辺亮・第二ソリューション営業本部本部長は、「(現地法人は)テクノロジーセンターのような存在。まずは、資本金を回収するのが目標だ」と話す。

 12月の設立当初は、開発要員15人余りに新卒の中国人20人余りを合わせて、約40人体制でスタートする。今後3年で2倍に増員し、5年後には70人体制の構築を見込む。

 同社は、人材活用の重要性に早くから着目していた。すでに、07年から中国人の採用を現地で進めてきた経緯がある。初年度は1~2人程度の採用だったが、年々これを増やしてきた。中国のトップ100大学から新卒を選抜しているという。現在は、日本のユーザー先に常駐している。

 これからは、中国で日本語教育を受けた現地人材を、日本でユーザー先に常駐させ、「ユーザー独自の設計スタイルを取り込んで、成都に送り返すサイクル」(渡辺本部長)の確立を検討している。

 営業拠点は、兼松グループが大連と北京、上海などに設けているオフィスを活用する。まずは各オフィスに数人レベルで配置し、中国沿岸部から市場の開拓を進める。

 将来的には、ITインフラの構築支援やサポート・クラウドサービスの提供など見据えている。事業範囲は段階的に拡大していく方針だ。

 同社は、製造業向けソリューションに強みをもつ。10年3月期の決算では、売上高431億円のうち、製造業向けで145億円と、全体の3分の1程度を占めた。しかし、業種別でみると、08年度比で一番落ち込みが激しかった。製造業のグローバル化が進むなか、国内ビジネスの展開にとどまっていては成長が見込めないと判断したようだ。

 人材の採用・活用は、中国で事業を展開するベンダーにとって悩みの種。積極的に現地人材を登用していく“現地化”を図らなければ、海外では成功しない。この点で、同社は先んじているようにみえるが、トップの人材までを含めてどこまで現地化を推し進められるかが重要になってくるだろう。(信澤健太)

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