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CXDネクスト レジとケータイの連携を強化 「ネットレジ」新サービス、相次ぎ投入

2010/10/07 10:17

週刊BCN 2010年10月04日vol.1352掲載

 カシオ計算機とNTTドコモの合弁会社であるCXDネクスト(泉徹郎社長)は、小売店などが利用するASP型の売上管理機能を搭載した「ネットレジ」向けサービスを拡充している。8月中旬には、建物の構造などに配慮し、NTTドコモの携帯電話「FOMA」回線経由で店舗支援や電子決済などのサービスを提供できるようにした。大手小売店のようにPOSレジスターを導入する資金的に余裕がない中小小売店に対して、「ネットレジスター」と携帯電話サービスで集客から売上管理までを電子上で行える仕組みを整える。

 CXDネクストは、2007年7月、カシオ計算機60%、NTTドコモ40%の共同出資で設立。カシオのASP型売上管理機能を搭載した「ネットレジスター」をNTTドコモの電子決済サービス「iD」などと連携させ、店舗以外の場所で売上管理ができる機器とサービスを販売している。泉社長は、「コンビニチェーンやファストフードチェーンといった大手だけでなく、中小規模の店舗にもiDやCRM(顧客情報管理)サービスを普及することを目的としている」と事業の骨子を説明する。具体的には、POSシステムでしか実現できないことが、安価なレジスターと回線サービスでできるようになるというわけだ。

 今年5月には、携帯電話でいつでもどこでも店舗の売上状況を把握できる「ケータイ売上隊」という売上集計管理サービスを開始。携帯電話から専用サイトにアクセスすることで、最新の売り上げや店舗からの報告事項などを経営者が確認できる。7月下旬には、店舗へのリピーター獲得を支援する「ケータイ販促隊」と呼ぶサービスを開始。携帯電話用の店舗サイトを同社が用意し、ネットレジスターで発行するレシートに店舗サイトの二次元コードを貼付することで、顧客を誘導することができる。

 CXDネクストの町澤俊介・企画部リーダーは「POS端末は高価で、中小小売店には手が出ない。かといって、ネット接続できないレジだけでは、売り上げ金額を打ち込むにすぎない。オフラインのレジ端末並みの価格で、さまざまな携帯電話サービスを安価に使える」と、利点を説明する。これらのサービスはASPなので、「まずは1店舗から試してみる」(泉社長)というように、試行的に利用して使い勝手がよければ導入を拡大することが可能だ。

 8月中旬には、このサービスをNTTドコモの「FOMA」回線経由で使えるようにした。従来は、ADSLやFTTH(光ファイバー)などブロードバンド回線を利用していたが、建物の構造や設備の関係でブロードバンド回線を敷設できない店舗でも、専用モバイルルータをレジに接続するだけで、「店舗支援サービス」などを利用できるようにしたのだ。

 今年後半からのサービス拡充によって、「昨年度の同期に比べて、レジ端末とサービス加入者数が2倍に増加した」(泉社長)。すでに、生花販売チェーン店の「青山フラワーマーケット」などに納入し、「低コストで売り上げ集計できるなど、効果が出ている」(町澤リーダー)という。今後は事務機ディーラーなどを経由した販売を強化していく方針だ。(谷畑良胤)

CXDネクストの泉徹郎社長(左)と町澤俊介・企画部リーダー
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