【上海発】ITホールディングス(ITHD)グループのクオリカ(西田光志社長)は、中国における製造業向け主力ソフト製品の販売チャネルの増強を急ぐ。CADやCAE(コンピュータ支援エンジニアリング)専門会社、鋳造設備メーカーなど、設計製造の分野に強いビジネスパートナーをメインに開拓。すでに10社ほどのビジネスパートナーと協力関係を結んでおり、同社ソフト製品の販売拡大を目指す。

八十田稔副総経理
 中国で販売促進を進めるのは、鋳造シミュレーションソフトの「JSCAST」で、鋳物を製造する企業を販売ターゲットとした専門的なソフトである。販売に当たっては、専門的なノウハウが要求される。このため、クオリカでは鋳物会社やエンジニアリング会社をメインの販売パートナーに位置づけてきた。中国でも、CAD・CAE専門会社や鋳造設備メーカーなどとの関係構築を急ピッチで進める。

 直近では、CADに強い上海申模計算機系統集成、CAEを強みとする安世亜太科技(北京)、鋳造設備会社で日系の上海東芝機械などが、中国でのビジネスパートナーに加わった。クオリカは上海の現地法人をベースとして、製造業が盛んな地域での販売を拡大していく。

 「JSCAST」は、発売以来24年間の日本国内を中心とした累計販売本数が700ライセンスで、国内トップシェアの実績をもつ。中国では、これまで累計50ライセンスほど販売してきた。このソフトには、日本の製造業で培った鋳造ノウハウが蓄積されており、「中国のユーザーの反応も上々」(クオリカ現地法人の八十田稔副総経理)と販売に手応えを感じている。向こう3年で、中国での累計販売本数を200ライセンスに増やす計画だ。

 鋳造シミュレーションは、専門性が高い領域。成熟市場の日本国内で新規納入を大幅に増やすのは難しいことから、製造業大国の中国での本格的な販売チャネル整備とシェア拡大に乗り出した。中国の市場は大きく、八十田副総経理は「将来的には日本の累計販売本数の2倍は売れる」とみる。ライバルの欧米中ベンダーとの競争に勝ち抜くことで、日本と同様に中国でもトップシェアを目指す。(安藤章司)