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iPhoneからデスクトップ環境をまるごと利用、アレイ・ネットワークス「DesktopDirect」

2010/11/17 10:17

 リモートアクセス製品を手がける米アレイ・ネットワークスのプロダクトマネジメント担当のライアー・ラパポート・ディレクターが来日し、同社のリモートデスクトップアクセスソリューション「DesktopDirect」について語った。

ライアー・ラパポート・ディレクター

 米アレイ・ネットワークスは、2000年に米国カリフォルニア州で誕生したネットワーク機器ベンチャー。SSL-VPNアプライアンス「SPXシリーズ」と、アプリケーション・デリバリ・コントローラ(ADC)の「APVシリーズ」の2製品群を中心にビジネスを行っている。

 APAC(アジア・太平洋)地域でのシェアは、SSL-VPNではジュニパーネットワークス(26.76%)、F5ネットワークス(15.62%)に続いて3位(14.14%)。また、ADCでは第5位につけているという(Frost&Sullivan 2008)。

 同社は、現在「SPXシリーズ」を軸として、社内ネットワークへのリモートアクセスを実現するSSL-VPNソリューション「AccessDirect」、拠点間接続のためのSSL-VPNソリューション「SiteDirect」、端末を利用して、リモートからデスクトップへのセキュアなアクセスを実現するソリューション「DesktopDirect」の三つのソリューションを展開。とくに「DesktopDirect」の拡販に力を入れている。ラパポート・ディレクターは「『DesktopDirect』はユニークなソリューションで、SSL-VPNをベースとしながらも、他の競合SSL‐VPN製品と補完できる関係にある」と話す。

 「DesktopDirect」は、「リモート接続」「デスクトップ転送」「認証」のすべての機能を1製品で統合的に提供する。自宅、移動中、外出先などから、直感的な操作で社内のデスクトップ環境にアクセスできる。Windowsで動作するあらゆるデスクトップアプリケーションを利用できるほか、Wakeup-on-LAN(WOL)によって、オフィスのPCがシャットダウンしていたとしても、遠隔から電源のオンオフの切り替えができる。遠隔アクセスながら、パフォーマンスが非常に軽快なことも、特徴の一つだ。

 ファイルや電子メール、重要なデータを組織外に持ち出してはいけない場合に、データを社内に残したまま、「DesktopDirect」で利用できるので、セキュリティ対策としても有効だ。既存資産を利用できて追加投資を必要とせず、WOLによって電気代や電気使用量を抑制できる。どこからでも業務を遂行できるので、コスト削減や生産性向上の点でもメリットがある。

 ラパポート・ディレクターは「米国では、すでに多数の企業がこのソリューションを導入している。またインドでは、非常に大きなソフトウェアプロバイダ、中国では銀行ユーザー、英国では保険会社で採用されている」と実績を語った。

 日本では、大企業におけるモバイルアクセス用途で需要を伸ばしているという。また米国では、BCP(事業継続計画)や生産性向上、欧州でも同様にBCPに関心が高まっている。アレイ・ネットワークスは、ワールドワイドで、それぞれのニーズに応じたメッセージングを行っているという。

 ラパポート・ディレクターは「なぜリモートアクセスが必要なのか、何に注意して提供していく必要があるのかを訴求していく。例えば、従業員の休暇は企業にとってはリスクになりかねない。500人の従業員がいたとして、各自が病身の家族の看病など、不測の事態で年に2回休んだとしたら、累計1000日分、年間6000万ドルから7000万ドルほどの売り上げを落としかねない。それを防ぐことがポイントだ。生産性に着目して当社の製品を導入すれば、こうしたリスクを解消できる」と力強く話した。(鍋島蓉子)
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外部リンク

アレイ・ネットワークス=http://www.arraynetworks.com/jp/

「DeskTopDirect」=http://www.arraynetworks.co.jp/products/spx/desktopdirect.html