アイ・ティ・アール(ITR、内山悟志代表取締役)が、中堅企業向けERP市場の調査結果を発表した。これによると、2009年度の国内ERP市場全体の出荷金額は約835億円で、前年比6.2%減。景気後退によるIT投資の削減が影響して、08年度に続いて2年連続のマイナス成長となった。ただし、10年度は国内景気が回復傾向にあることから、前年比8.8%増に拡大すると予測している。

 中堅企業向けERP市場は、08年度までは堅調な成長を維持してきたが、09年度の出荷金額は370.4億円、前年比2.3%減とマイナス成長に転じた。10年度はIT投資の拡大に伴って回復し、前年比7.9%増の伸びで399.7億円となると予測している。

 09年度の中堅企業向けERP市場のベンダーシェア(出荷金額ベース)をみると、50ベンダーが競う混戦市場のなかで、豊富な業種別パッケージと全国的な販売網を強みにオービックが安定した出荷金額を維持。23.1%のシェアを占めた。また、従来製品に加えて富士通からGLOVIA smartを移管したことで、富士通マーケティングが7.5%のシェアを獲得し、2位に浮上している。3位は日立製作所で7.0%、4位はNECで5.8%、5位はカシオヒューマンシステムズで5.3%。

 ITRの浅利浩一プリンシパル・アナリストは、「中堅企業向けERP市場は、レガシー化している基幹系業務システム全体のリプレースや、部分的に導入されたパッケージを刷新するなどの案件によって、成長が期待できる。ただし今後は、これまでのベンダー/製品の勢力図が大きく変化する可能性がある。比較的規模の大きな中堅企業は、大企業と変わらない業務の複雑性を内在している場合が多く、子会社や取引先、グローバル対応を含めたシステム化やIFRS対応へのニーズに対して、どこまでベンダーが応えられるかが問われてくるだろう」とコメントしている。(信澤健太)