日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA、大塚裕司会長)は「2011年度新入社員向けセミナー」を東京・文京シビックホールで開催した。

 IT業界の企業に入社した新入社員を対象に、キーマンがアドバイスやトレンドについて講演する恒例のイベント。リコージャパン、リコーテクノシステムズ、大塚商会をはじめ、25社632人の新入社員が参加し、熱心に学んだ。

多くの新入社員が参加し耳を傾けた

 セミナーでは、ニつのセッションが行われた。まず「コミュニケーションの重要性」を題材に、パンネーションズコンサルティンググループの安田正氏代表取締役が講演。IT関係企業で顧客にソリューションを提供する企業人に重要なコミュニケーションの方法などを話した。

 続いて、「これから飛躍するIT人材へのメッセージ」と題して、日本マイクロソフトの樋口泰行社長が講演した。樋口社長は、自身の過去の経験を踏まえて、社会人の置かれる立場や、企業の将来にとって必要となる人材、20代から30代のうちにすべきことは何かを話した。

日本マイクロソフトの樋口泰行社長

 樋口社長は、日本がいま企業経営や政治で、先進国から一歩遅れを取っていると指摘。「今、企業には、日本のもち味を出しながら、世界のベストプラクティスを取り入れ、変革につなげることができるリーダーが必要とされている」とした。単にノウハウだけでなく、現場の痛みも理解してマネジメントに生かすことができる「人間力」もリーダーの必須スキルだという。

 樋口社長は、求められる人材になるには「T字型人間になることが必要だ」と説いた。Tの横棒は「幅広い知識や人脈」を、縦棒は「自身の強みとなる領域」を表す。例えとして、自身が新入社員の頃に溶接機事業部という粉じんを被るような過酷な労働環境のなかで、ひたすら業務に打ち込んだ過去を披露。「最初はこのままでいいのか悩んだが、結果的にT字の深い部分(縦棒)を掘り下げていた。これは私の専門という『背骨』をもつことができた」と振り返った。最初から名刺や人脈だけを広げている人間には「薄っぺらい印象を持つ」としたうえで、「とにかく最初は与えられた仕事に全力投球してほしい。世界的な視野は後から身につければいい」とメッセージを送った。(鍋島蓉子)